左から関原さん、三好さん、娘さん



生きがいも支援したい...

長年の夢...初の個展へ

三好和子さん(89歳)は、現在高松市内で一人暮らしをしている。両ひざが不自由なのと血圧が高いため、要介護度1の認定を受け、週2回の訪問介護を受けている。
 介護を受けるにあたり三好さんは「私の生活のメインは、文を書くことと絵を描くことなので、それを助けてほしい」と、ヘルパーステーション虹の里のヘルパー関原さんに挨拶した。三好さんは子どもの頃から作文が大好きで、これまでにも「讃岐文学」同人となり、随筆を発表している。
 絵を描き始めたのは、74歳の誕生日に同文学の同人、上田さんに「あなたは絶対、絵の描ける人だと思うから描いてごらんなさい」と、水彩道具をプレゼントされたのがきっかけで、以来、野の花たちを描いている。「花々を描くのは、自画像を描いているようなんです。花を描くのではなく、花の命を描きたいです。絵は人間を磨く材料ですわね。上田さんに巡り会った事も私の幸運です」という三好さんは、99年に上田さんの薦めで、それまで描いた花たち約130点を載せた、画集「いとしき花たち」を出版している。
 今回、個展を開くに至ったのは、三好さんが、主治医である高木先生に画集を進呈したところ、「同じ様に介護を受けているお年寄りらにも紹介したいから、虹の里へ展示してみてはいかがでしょう」と三好さんに薦めたことから。
 以前から三好さんの個展への強い思いを知っていた関原さんは、今回の個展にあたり、山田所長や他の仲間のヘルパーらと、会場の手配から作品の選定、配置、飾り付けまでボランティアで協力した。
「かねてからの希望でありました個展が開催できてほんとうによかったですね。私たちの手作りミニ個展ではありますが、たくさんの方に見ていただくことができてうれしく思います。三好さんの絵に対する思いは計り知れないものがあり、1枚1枚思い出いっぱいのものです。展示してあるものは、たくさんある作品の中から三好さんと一緒に選ばさせていただきました。三好さんの絵は、やさしく、素朴で、思いやりがあり性格そのままが浮き出ているような気がします」と関原さん。
「関原さんは、私が絵を描いている時もアドバイスして下さるし、こんな温かい雰囲気の個展も開いて下さって、ヘルパーさんは老人の生き甲斐を助ける尊い仕事だと思います」と三好さん。
 また、仙台から来場していた、三好さんの娘さんは、「母が一人で暮らせるうちは、のびのび暮らさせてあげたい。それが親孝行ではないかと母の文を読んで思った。でも、やはり母を一人暮らしさせるのは心配で、いろいろ考えたりもしますが、ヘルパーさんが来る日はうれしいし、その安心感と言ったら例えようがないです。おかげさま。親切にしていただいき、今回は思いもかけず個展の開催まで手伝っていただいて。母の長年の夢だったので、精神的に一番嬉しい事ではないでしょうか」と話した。
 今回の個展の題名は画集と同じ「いとしき花たち」。この言葉について三好さんは「頭の中でサッと出た言葉」だと言う。個展は、約40点の作品を展示している。
虹の里のヘルパーさんは「一人暮らしのお年寄りが生き甲斐を持ち、自立して暮らせる様、お手伝いするのが私たちの仕事」と言う。


項目INDEXへ

Copyright(c)2001 香川医療生活協同組合 All Right Reserved.