講演する岸本伸人医師
2005年12月3日(土)、高松市内でひらいた学習会には、約40人が参加しました。香川民医連と建交労県本部が共催したものです。
開会にあたって、高松平和病院の藤原高明院長が、9月から11月まで3回おこなった
日本エタニットパイプ屋島工場(82年まで操業)の元労働者と家族の訪問調査結果を発表しました。聞き取りできた元労働者は57人でした。すでに亡くなられた方は23人でしたが、このうち15人(65%)が中皮腫や肺がんなど肺疾患であり、アスベストを取り扱っていたためと疑われる結果でした。
健康不安が広がっており、「専門家による疫学調査をおこない、結果を公表し、適切な対策を講じること」「京都府のように希望者には健診をおこなうこと」「労災の申請が増えて認定が遅れている。体制を強化してすみやかな審査ができるように改善すること」「労災認定の 5 年時効を延長すること」など、国と県は急いで対応することが必要であると強調しました。
このあと、高松市民病院呼吸器科の岸本伸人医師が「アスベストによる健康被害について」、高松平和病院ケースワーカーの安田準一氏が「労災保険について」講演しました。
閉会挨拶で、県建交労委員長の合田恒彬氏は、「国が放置したため、70年代に大量に使用された。30年以上経って被害者が出ているはずなのに浮かび上がって来ないのは、医師の無理解によって別の病名で治療しているからだ。多くの被害者を救済するためにも、アスベストの危険性を知らせよう」と訴えました。
香川民医連 野口卓 |