●研修報告 大島真央医師

2000年に香川医大を卒業し、高松平和病院で2年目の研修医をしています。学生時代の思い出はヨット部に所属し西医体で銅メダルを取ったことです。「人生はたまたま…」が私のモットーです。
 なぜ民医連を選んだか?
鶏口牛後になろうと思っていました。平和病院は外科を含めたローテート研修があるし、ありふれた病気を診られること。希望の施設に研修に出られることなどです。
 研修の実際は?
融通がききます。文句もとおります。何でもさせてもらえます。やる気次第で基本的な手技から進んだ手技まで技術的なことを身に付けることができます。ただ、大学ほどではないが雑用があります。指導は文言ほど十分ではないが、大学と違って単独診療は少ないです。身分は保証されているのでアルバイトはしなくて良いのです。

 初期研修のプログラムですが、4月に導入があり、国家試験の発表がされていませんから医療行為はできません。他職種体験を行って、コメディカルスタッフの仕事内容について理解を深めたり、入院体験を通して、患者の立場に立って考えたりします。各種クルズス(講義)も行います。
 5月〜8月の間は導入期研修ということで病棟実習を開始し、主治医能力を中心に養っていきました。採血やカテーテル留置などの医療行為も行い、技量をあげていきます。さらに侵襲の伴う処置は見学から開始し、指導医の指導の下、次第に独り立ちします。私の場合この時期に24名の入院患者さんを担当しました。
 9月に麻酔科研修をします。気管内挿管は20例経験し、麻酔薬を使ったブロック注射や珍しい例としてあごがはずれたのを元に戻しました。
 10月〜1月は循環器・呼吸器を中心に研修し、心臓カテーテル、腹部エコーをしていきました。循環器抄読会(英語の雑誌を訳して読みあう)、心電図勉強会など。経験する疾患として心筋梗塞、肺炎、気管支炎、糖尿病、
肺癌など症例の幅としてはさまざまです。心カテ研修(CAG,LVG,SWGZ,AOG,PTCA,ペースメーカー埋め込み、カテーテルアブレーション)もやらせてもらって循環器の進んだ専門的な治療を経験できました。
 次は小児科で2月〜3月です。外来中心に研修を積みます。担当患者は60名で、いわゆる風邪、インフルエンザ、気管支炎、肺炎、仮性グループ、急性胃腸炎、気管支喘息、麻疹、水痘、ムンブス・ムンブス髄膜炎などを経験しました。
 2年目の4月〜5月は整形外科でした。いろんな疾患を診ることに重きをおき、この疾患の場合は、こういう症状で、こういうレントゲンとかをたくさん見ました。そして手術に入ってレントゲンで見たのが実際はどうなっているかをみました。手技としては腰椎麻酔、関節内注射、気管内挿管、ギブス固定、ギブスカットなどしました。ポリクリではできないことですね。
 6月〜7月は外科に入り、カメラをはじめました。16名の患者を担当し急性虫垂炎、ヘルニア、S状結腸癌、直腸癌、胃癌、乳癌、その他を経験しました。自分でメスをもって開腹をしたり、閉腹や皮膚縫合などもやりました。
 8月〜12月は4病棟(循環器・呼吸器)研修、1月〜3月は3病棟(消化器)研修で現在に至っています。(略)

医療生協や民医連は全国組織なので、今日の朝もそこにいたのですが、研修医の集まりが定期的に行われていてワークショップに参加して自分の足りない部分を補ったり、比べたり意見交換することによってレベルをあげていこうと努力しています。

Copyright(c)2001 香川民主医療機関連合会 All Right Reserved.