あなたにもあげたい 笑顔 健康
TOPヘ 香川医療生活協同組合

  協同組合 香川合同計算センターの機関紙に Dr.藤原の「社長の健康シリーズ」を連載しています。2006年3月1日号と4月1日号に掲載した記事を転載します(少し編集しました)

健康シリーズ 歯について
(第21回 12月1日)

 1989年から「生涯を通じた歯の健康づくり」として、8020(はちまる・にいまる)運動が提唱されました。

 その結果、歯の寿命は5年以上延び、65〜69歳の人の歯は16 .8本と増えています。しかし、3歳児の32%、12歳児の70%が虫歯の経験があります。出血など歯グキの異常のある小児は36.5%、15〜24歳で66.1%と、口の中の異常は既に子どもの頃から始まっていて、80歳で20本以上自分の歯のある人は、15.3%といわれます。

 虫歯の原因は、ストレプトコッカス・ミュータンス菌などの細菌です。この菌を完全に取り除くことはできませんが、量を減らすことはできます。

 毎日歯を磨いているのに虫歯になった、という人もいますが、これは、「よごれを落し切る歯みがき」が出来ていないためです。歯間部清掃用具(デンタルフロス、歯間ブラシなど)を使用しないのも問題です。

 保健福祉動向調査によれば、毎日歯をみがく人は96%ですが、一日3回磨く人は19%に過ぎず、歯みがき指導を受けたことのある人は、19 .7%です。定期的に歯科で検診を受け、正しい歯みがきを教えてもらうようにしましょう。

 厚生労働省は、6年ごとに「歯科疾患実態調査」を行っています。最新の調査は 1999年のものですが、一人あたりの平均歯数は60代18.6、70代10.9、80才以上では6.8本です。加齢と共に歯の数が減るのは当然ですが、40才以降で歯数が減少するのは、虫歯と歯周病が大きな原因となります。

 歯周炎にかかった患者の割合は、 50代43.5%、60代50.0%と徐々に増えており、歯茎に何等かの異常のある人は、50才前後で88.4%です。5〜14歳でも36.5%ですから、若い時からの異常が中年以上になり急増していく実態が明らかになっています。

 歯周病は、歯みがきが不十分で古いプラーク(歯の垢)が溜まり、その中に細菌が繁殖し、歯茎や歯を支える骨に感染しておきる感染症です。糖尿病などの内科疾患や喫煙者にも多く、生活習慣と関わりの深い疾病です。

 歯みがき時に出血する、口臭を強く感じる、歯をかみ合わせると上下の歯がぴったりかみ合わない、などは歯周病の初期症状です。是非、歯科医に相談しましょう。

 よく噛むことは生活の基本です。歯は、健康への入り口なのです。

関連項目へ “飛来峰”バックナンバー

TOPへ 香川医療生活協同組合