あなたにもあげたい 笑顔 健康
TOPヘ 香川医療生活協同組合

後期高齢者保険制度の問題点
(第33回 1月26日)

 1月 23日付け「飛来峰」で、後期高齢者医療制度について触れました。

 後期高齢者保険制度は全く新しい制度ですので、少し解説を加えたいと思います。都道府県単位で全市町村が強制加入する「広域連合」が運営にあたります。保険料は、 75才以上のすべての高齢者が負担します。全体の12分の4を国が負担(33.3%)、都道府県と市町村がそれぞれ12分の1(8.3%)、40%を現役世代が支払う「支援金」、約10%(正確には8.3%)を後期高齢者が負担します。保険料の具体的な額は、これから決定されます。

 保険料は介護保険と同じで、年金から天引きです。年額 18万円(月1.5万円です)以上で、介護保険料と合わせた額が年金額の50%以下なら天引きの対象となります。50%を超えた場合は、介護保険料が優先されます。国民保険と同じく、保険料を滞納したら資格証明書が発行され、医療機関の窓口でいったん全額支払わなければなりません。年金からの天引きでない人が保険料を滞納するわけですから、介護保険料と合わせて年金額の50%を超えるような人が、窓口でいったん治療費を払えるものでしょうか?この仕組みができたら、確実に受診抑制が広がることになるでしょう。

 診療報酬について、厚生労働省は定額制の導入を検討しています。病名ごとに医療費を決めていく制度ですが、その詳細は明らかではありません。

 12月25日に国民健康保険中央会が「高齢社会における医療報酬体系のあり方に関する研究会報告書」を発表しました。ヨーロッパ4ヵ国(イギリス、デンマーク、オランダ、フランス)の関係機関等にヒアリングを行った結果を元にまとめたものです。「後期高齢者の医療………にふさわしい報酬体系のあり方について検討」したというものの、「かかりつけ医の活動に対して、診療報酬において定額払い報酬が導入されている」国の調査で、「かかりつけ医」制度と「定額払い制度」が前提になった、大変バイアスのかかった報告書であることが特徴です。

 その中で、「診療所の中からかかりつけ医を選ぶ。最初にかかりつけ医を選ぶ」としています。これは、以下のような問題点があります。(1)中小病院が地域に中で果たす役割が否定されている、(2)近くに内科の診療所がない場合、眼科や耳鼻科医に、腹痛や腰痛でいったんかからなければならず、かえってムダが生ずる可能性が高い、(3)「かかりつけ医」というが、医師の側が英国の家庭医のような訓練を受けている訳ではなく、このような突然の提案では現場に混乱が起きる。

 何より問題なのは、日本の医療の最も優れた点である、フリーアクセス=「いつでも、どこでも、誰でも」医療を受けられる制度が根幹から崩される事にあります。このような制度の導入を許さない世論作りが求められています。


関連項目へ “飛来峰”バックナンバー

TOPへ 香川医療生活協同組合