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 日本生協連・医療部会発行の、「虹のネットワーク」 2007 年2月号のコラム「社会派 しんさつ室」に掲載された文章を転載します(少し手直ししました)。

薬剤師なしで薬剤販売が可能になる、薬事法改正に問題あり
(第43回 3月2日 )

 昨秋、岡山県のドラッグストアが高松市内に初めて出店しました。私の通勤路にも、別のドラッグストアが新店舗を開業しました。今年は、業界最大手が、四国初の店舗を高松市内に出店します。

 家電量販店やスーパーなどが香川県に次々と進出していますが、物流費用面で有利だという理由だけではありません。背景には、医療分野での規制緩和があります。

 薬事法では薬剤師の下でなければ薬の販売はできませんでしたが、 2006 年6月に法律が改正されました。「安全性上特に注意を要する成分を含む」第一類に分類されるものは 2006 年 12 月現在でわずかに 30 種類とされ、それ以外の薬剤は薬剤師以外の「登録販売者」でも販売が可能になりました。そのため、これまで人件費の問題から困難であった二四時間営業が可能になり、コンビニエンスストアなど他業種からも注目を浴びています。

 医療機関や調剤薬局で使用される薬剤と異なり、一般の薬局で販売される薬には緊急安全情報や副作用情報が消費者に伝えられる仕組みがなく、健康被害を未然に防ぐ上で問題があります。

 また、登録販売者の試験は都道府県知事が行う事になっていますが、国の関与についてはまだ明確でなく、一定のレベルが保たれるのかという疑問も残ります。

 これまでも、かぜ薬など一般の薬局で販売された薬の副作用が大きな社会的な問題になりました。インターネット上での販売が可能になれば、事実上無法状態とも言え、何等かの規制が必要です。

 改正薬事法については、 2007 年に薬剤のリスク分類の決定、 2008 年に登録販売者の試験、 2009 年に完全施行の予定であり、全てが決定している訳ではありません。

 安全・安心の医療を求める国民の声を反映させるために、社会保障を改善する運動の中で取り上げて行く必要があるのではないでしょうか。


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