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医療メディエーターのお話を伺ってきました
(第46回 3月13日 )


【からだ学習館】病院の近くのビルの1階に患者・家族の学習室があります
 医療メディエーターに関心が集まっています。メディエーターに正確な訳語はありませんが、「仲介者」と紹介される事が多いようです。 医療過誤訴訟が多い米国で、医師と患者の間で中立な位置に立ち、話をまとめる仕事として数年前に登場しました。

 一昨年の米国での患者の権利に関する調査活動以来、日本における患者の権利を守る様々な活動に注目していましたが、NHKが新葛飾病院での医療メディエーターの活動に着目した番組が放映されたのを機に、お話を伺ってきました。

 新葛飾病院は東京都葛飾区にある 176 床の地域の中核病院で「高度な医療、うそをつかない医療で 愛し愛される病院」をキャッチフレーズとして活動しています。今回お話を伺ったのは、医療安全対策室のセーフティーマネージャーの豊田郁子さんです。

 豊田さんは、医療機関で勤務した経験と、長男を医療事故で失った経験があり、医療機関の中でおきる様々なトラブルを、患者と医療従事者が対立したままでいるのではなく、相互理解を深める中で解決していく役割を果たしています。トラブルの多くが、コミュニケーション不足から起きるため、患者と医療従事者の溝をうめる第三者的な立場で、患者の気持ちに寄り添いながら、解決の道を探っています。


【からだ学習館内部】疾病学習に関する図書が並んでおり貸し出しもしていました。隣室に医療メディエーターが居て相談しやすい雰囲気でした
 トラブルが起きた時に、患者の想いが医療従事者の耳に入らない、また、当事者である職員も誤りたいがそのチャンスを逸して頭を下げにくくなり事態がこじれてくる、などの事例も多く、病院内に第三者的な立場で問題解決にあたる人が配置できれば、患者の想いも伝わるし職員の謝罪の気持ちも伝えやすくなるなど、患者の権利を守る上でも重要な役割を果たしています。

 米国では常に医療訴訟対策の面がありますが、豊田さんの意見では、米国型の「紛争解決の専門家」のような立場ではなく、患者に寄り添う形で、病院内で活動する事に意義があるのではないか、という事です。

参考文献・記事

http://web.kumanichi.com/iryou/kiji/sonota/shinkatsushika.html
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/kenko/070212/knk070212000.htm
・AERA ( 2007.2.5 ) 患者医者つなぐ新しい場
・日本医師会雑誌( 2007.3 ) 医療過誤防止のためのメディエーターの役割(豊田 郁子)


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