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 合同計算センターの機関紙に「社長の健康シリーズ」を連載しています。 2007年3月号と4月号に掲載したものを編集しました。

肥満について(その1)
(第58回 4月27日 )

 肥満とは、脂肪組織に過剰に脂肪が蓄積している状態を指します。内分泌疾患による肥満もありますが、多くの場合は、体が利用するカロリーより摂取するカロリーの方が多い「単純性肥満」です。

 肥満は様々な合併症を引き起こします。脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化による疾病や糖尿病などの生活習慣病、腰痛症や変形性関節症などの整形外科疾患とも関連があります。

 肥満には、2つのタイプがあります。男性に多い、内臓に脂肪がたまりやすい「リンゴ型肥満」と、女性に多い皮下脂肪が増加する「洋ナシ型肥満」です。内臓に脂肪がたまると動脈硬化が進みやすく、CT検査で測定した内臓脂肪面積が 100 平方cmを越えると内臓脂肪型肥満とします。しかし、CT検査は高価な器械ですからどこでも行える訳ではありません。そこで、腹囲(立位で、ヘソの高さで、軽く息をはいた時に測定したウェスト周囲径)を測定して、男性85cm以上、女性90cm以上が該当します。

 厚生労働省は、 2000 年に健康日本 21 を策定しました。 20 〜 60 才代の男性の肥満者 27.9 %を 2010 年に 15 %以下に、 40 〜 60 才代の女性の肥満者 24.9 %から 20 %以下に減少させるという努力目標を掲げました。

 そのため、これまでの老人保健法に基づく自治体の一般健康診査は、 2008 年からメタボリックシンドロームを管理するための「特定健診」に衣替えする事になりました。

 メタボリックシンドロームは、腹囲が男性 85cm 以上、女性 90cm 以上が条件です。さらに、以下の3項目中2項目以上有する場合に、メタボリックシンドロームと呼びます。

(1)血清脂質異常:空腹時の中性脂肪が 150 以上またはHDLコレステロールが 40 未満
(2)血圧高値:最高血圧が 130 以上または最低血圧が 85 以上
(3)高血糖:空腹時血糖が 110 以上
(4)既に治療中の場合は、該当するものと判断します。

 厚労省は、メタボリックシンドロームに対する取り組みにより、 2025 年には年間2兆円の医療費の削減が見込まれると推計しています。

 メインテナンス会社の都合で来週は休載します。次回は 5 月 8 日です。


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