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ハイフォン市でのセミナーの報告です(その4)
(第72回 6月26日 )

 医療生協の患者の権利章典の続きです。

 「日本の医療生協では、いま「医療生協の患者の権利章典」の内容を実践できているかどうかを総点検しようと、全国によびかけています。これまで述べてきた内容は、そう簡単に実現する内容ではありません。医療の内容は多くの国民に取って、特別難しい内容を含んでいます」「しかし、こういった目標を持って日々活動していくのが、医療生協です。この取り組みが全国に広がれば、医療は大きく変わっていくことでしょう」と結びました。


通訳からの日本語を聞きながら質疑応答です

 その後、全症検(全職種参加の症例検討会)の事例紹介をしました。3〜4年前のものですが、「私たちの病院で亡くなった、物を飲みこむことが困難で、肺癌を合併した患者について、全職員で検討会を行いました。治療内容や対応は十分だったのか、治療や看護に対する考え方は適切であったのか、など様々な角度から検討しました。多くの問題点が明らかになった後に、病気の本質を十分捉えていなかったのではないかという、医師の反省が語られました。長い病気の経過をきちんと捉えられていなかったのではないかという、看護師の反省もありました。スタッフ全員が力を合わせなければ十分な医療が出来ないだろう、という医師の発言で会議が締めくくられました」

 医師・職員養成の課題についても触れました。

 「どんな時でも、患者が主人公であることを医療従事者が常に認識することが、医療生協の運営する医療機関の特徴です。こういった医療を実践していく上で、とりわけ医師や看護師の役割は重要です。医療生協では、技術を身につけるだけでなく、医療生協の活動を学びながら、患者・組合員と共に育っていくことを重視しています」。

 最後に、最近私が考えていることを述べて、発言を締めくくりました。


会合の雰囲気が少し解っていただけるでしょうか

「わたしは、医師のいきがい、仕事のやりがいについて、こう考えています。医師の役割は、病気を正確に診断し、治療を行なうことにあります。しかし、病気にならないような予防の取り組み、単に個人の生活習慣を改善するだけでなく、「健康づくり」が可能な地域に変えていく取り組みを、住民と一緒に行なうことが大事ではないでしょうか。また、いったん病気になっても、それ以上悪くならないような取り組み、死に至る病であっても、最後まで人間らしく誇りをもって生きていけるような、仲間と地域を持つこと、その取り組みに参加できることは、医師の人生にとって、とても大事なことだと考えています」。

 

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