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 日本生協連医療部会の機関誌comcomは、医療生協の活動がわかる唯一の雑誌です。シリーズ「こんなときガマンが禁物」に「自宅血圧」をテーマに掲載した文章を再録します(2007年4月号)。一部修正しています。
健康シリーズ「自宅血圧測定について」
(第220回 2月10日 )

 1965年以降日本人の血圧は全体に低下し、それに伴い脳卒中の罹患率や死亡率が低下しました。福岡県の久山町の研究が有名ですが、秋田・大阪などの継続的な調査でも同様の結果が得られています。

 動物実験で「血圧」が測定されたのは18世紀の事ですが、人間の血圧を、聴診器を用いて初めて測定したのはロシアの外科医であるコロトコフで、1905年の事です。それ以来100年が経過しました。その後、血管から伝わる振動を利用して血圧を測定する方法が実用化され、現在日常的に使用されている自動血圧計が普及しました。

 日本国内には血圧測定装置が3000万台あり、毎年1000万台近くが生産されているとも言われており、手軽に日常的に利用できる「健康グッズ」になっています。

 血圧の値は測る時の条件で大きく変動します。検診時や医療機関で測定する血圧は、緊張しているために実際より高い値となる「白衣高血圧」がよく知られています。また、ストレスの多い人やヘビースモーカーは、医療機関の受診時の待ち時間の間にリラックスするため、診察時に血圧が正常化する「仮面高血圧」が最近話題になっています。また、早朝に血圧が上昇する「早朝高血圧」は、脳卒中や心筋梗塞と関連が深いことが明らかになっています。そこで、家庭内で血圧を測定する事が重要になる訳です。

 2003年9月に日本高血圧学会が「家庭血圧測定条件設定の指針」を発表しました。要旨は、以下の通りです。

  1. 測定時間
    ・ 朝は起床してから1時間以内
    ・ 排尿を済ませた後
    ・ 朝食の前
    ・ 夜は就寝前
  2. 測定方法
    ・ 椅子に座って1〜2分以上安静にした後
    ・ 腕を軽く伸ばした状態で机の上に置く
    ・ 上腕のカフの位置が心臓の高さとなる姿勢
  3. 測定機器
    ・ 上腕で測定するタイプの電子血圧計(電器屋さんで売っているもの)
    ・ 手首で測るタイプは心臓の高さで使用して下さい
    ・ 指で測るタイプは誤差が多く、勧められません

 家庭血圧の正常値は125/80未満、125/75未満を確実な正常血圧と判定します。また、135/80以上が高血圧、135/85以上が確実な高血圧とされます。血圧の測定回数は1度に1回でよいとされますが、回数については一致した見解はありません。複数回測定した時には、すべての数値を記載する事が望ましいと言われています。なお、記録は血圧の測定時間・血圧値・心拍数も一緒に記載して下さい。

 家庭血圧を測定する目的は、(1)家庭血圧の方が医療機関で測る血圧より、脳卒中や心臓病発症との関係が強いと言われている事、(2)白衣高血圧や仮面高血圧の発見が可能になる、(3)脳卒中や心臓病をおこしやすい早朝高血圧を発見できる、(4)高血圧の治療を受けている人の服薬状況や治療効果の確認ができる、などです。

 医療生協ではこれまで、班会や青空健康チェックでの血圧測定を重視して来ましたが、これからは自宅での血圧測定も呼びかけていきたいと思います。

 ※自宅血圧については、生活お役立ちサイト、さぬき.tvに高松平和病院の高木照幸内科部長がわかりやすく解説していますので是非ごらん下さい。

http://sanuki.tv/category/medical/


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