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ベトナムの医療生協訪問記(その2) (第231回 3月27日 )

ミン・タイン保健協同組合の購買事業を行う店舗の外観です
ミン・タイン保健協同組合の購買事業を行う店舗の外観です

 ベトナム訪問記の第5回です。3月4日は、イエンバイ省協同組合連合会本部の訪問、ミン・タイン保健協同組合事務所と診療所の訪問です。

 イエンバイ省は面積が6,887平方kmで岡山県より少し狭く、人口は74万人で人口の半数が30の少数民族です。農民の所得は1ヵ月一人あたり10ドル弱(1000円前後)です。人口の半数に医療保険が提供され、特別に貧しい地域に住んでいる人は政府の援助で医療費が無料となるそうです。省内に1,000の企業があり、6万家族の協同組合員が存在し、地方経済を発展させているとのことです。

 ミン・タイン協同組合のあるイエンビン県は面積が763平方kmで香川県の半分弱で人口が10.5万人、2.3万世帯が住んでいます。行政単位は23社(日本でいえば町や村、といった単位です)で、ミン・タインさんからの報告によれば「10社に医師がいます。病院は2つあり、栄養不足の子供は25%、病気になっても病院や診療所にいけない人たちが38%」だそうです。

 住民が比較的低い山岳地に散在しており、収入が低く、医療保険制度が未整備で、医療機関も不十分、といったところでしょうか。

ミン・タインさんが1年余りの活動報告を行っているところです。スライドに「HAN」という文字が見えます。
ミン・タインさんが1年余りの活動報告を行っているところです。スライドに「HAN」という文字が見えます。

 一昨年ハイフォン市で行った医療生協セミナー(第69回ほか参照)に参加し、2007年10月に、ミン・タインさんが中心になって保健協同組合が設立されました。ミン・タインさんの講演を聞きましたが、大峰さんが紹介した全国の医療生協の活動(第77回の写真参照)がベトナムでも広く活用されていました。

 日本の活動に学び、健康知識を学ぶ保健大学や、血圧の測定法や血圧の管理の重要性を広めていました。公立病院を退職した医師に協力を求め、内科・小児科診療所を開設しています。といっても、日本の学校の保健室程度のもので、事業として成り立つまでの活動には至っていません。保健協同組合の事業として、書店、造花の販売、ビタミン剤などの健康食品販売などで収益を得ています。

日本の医療生協の食事会となんら変わるところはありません。奥の方に私が写っています
日本の医療生協の食事会となんら変わるところはありません。奥の方に私が写っています

 見学の後、昼食を一緒にというお誘いがありました。形式張った食事ではなく、地域の皆さんとの食事会でした。私たちがセミナーで紹介してきた、そしてベトナムから見学のために訪問した人たちと一緒に三木町などで行った食事会そのものでした。近所に住んでいる、という高齢の男性が私に握手を求めて来て、「近くに住んでいるものだが、血圧を無料で測ってくれたりお世話になっている」と挨拶をしました。

 ベトナムでも医療生協活動が本格的に始まったことを確認しながら、4時間半のドライブでハノイ市に向かいました。


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