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 日本生協連・医療部会発行の、「虹のネットワーク」 2009 年3月号のコラム「社会派 しんさつ室 No.31」に掲載された文章を転載します。一部修正しています。
社会保障改善を求める声をあげよう (第232回 3月31日 )

 昨年秋からの、派遣労働者・期間労働者の首切りや雇い止めは、正規労働者の人員削減へと広がり、大きな社会的問題になっています。その一方でマスコミ報道でも、後期高齢者医療制度や4月からの介護保険制度の改定が後景に追いやられているように感じます。

 保団連(全国保険医団体連合会)の調査によれば、年金が年額18万円未満で保険料が天引きにならない高齢者の1割前後が保険料未納になっています。このまま1年間が過ぎると「資格証明書」が発行され、受診時に全額支払わないといけない無保険状態と同じ扱いになります。

 介護保険の改定でも、認定前に行われる認定調査員の調査項目で介護度が低く判定されるような変更が行われています。「問題行動」では、介護の手間がかかる「火の不始末」「暴言・暴力」などの項目が外され、「生活機能」では、整髪(髪をとく)の項目では「頭髪がなければ整髪を行わないので自立とみなす」、「口腔清潔」(口の中をきれいに保つ)では「歯みがきの習慣がなければ自立とみなす」など、問題が多い内容になっています(注)。

 社会保障を充実させる取り組みが、今ほど求められている時はありません。

 香川県では社保協(社会保障推進協議会)が、県下すべての自治体と懇談を行う「自治体キャラバン」を一月に行いました。職員や地域の組合員さんも参加しましたが、組合員さんが「A町のBですが、特定健診の項目を充実してほしい」と発言すると、行政の方も「他の市町との調整が必要だが充実させる方向で検討している」と前向きの回答がありました。やはり、事業所の声だけでなく、地域の声を地域の人が発信していくことが重要だと感じました。

 こういった活動を日常的に行っていくことが、これからの課題ではないでしょうか。

 注:4月からの改定を前に、厚労省は認定調査の見直しを行いました。しかし、その中身は「自立(介助なし)」という表記を「介助されていない」と変えるだけであり、本質的には変わっていませんが、実施直前に見直しをするという異例の対応は、国民の異論に対応せざるを得なかった訳ですから、やはり声をあげていくことが重要だと思います。


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