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リゾートソリューション社に対するアスベスト被害訴訟裁判の勝利集会が開かれました(その2)
(第289回 11月24日 )
現地で活動する専門家として、今回の訴訟に重要な役割を果たした香川県の弁護士さんたちです
現地で活動する専門家として、今回の訴訟に重要な役割を果たした香川県の弁護士さんたちです

 前回の続きです。

 10月1日、リゾートソリューションアスベストじん肺訴訟原告団・弁護団・建交労香川県本部が共同で声明を出しました(注)。

 その中で「原告らは、この判決を契機に控訴させずに和解による全面解決を図るべく、判決当日から被告会社及び大株主である三井不動産とコナミに対し、連日、要請行動を行ってきました。その結果、控訴期限の最終日である9月28日、会社と原告代表者及び双方代理人とで合意書に調印し、本件を控訴させずに和解により全面解決することができました」と指摘し、以下のように述べています。

 「謝罪は、提訴前から原告らが切望していたものであり、これなくしての和解はあり得ませんでした。合意書では、次のような文言となっています。「被告は、平成21年9月14日高松地方裁判所が言い渡した判決を真摯に受け止め、日本エタニットパイプ株式会社当時の高松工場において多数の石綿関連疾患を発生させた社会的責任を認めて、原告らに謝罪し、現在、石綿肺等に罹患し闘病を続けている患者の方々に対し心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた元従業員及びその遺族に対して衷心より弔意を表明する」9月28日、合意書に調印する際には、担当取締役が出席し、上記文言を読み上げて、原告らに謝罪しました。「謝罪」という文言が合意書に明記されたことはじん肺訴訟において画期的なことであり、今後、他の事件の解決にあたっての指針を示すものと考えます」。

 大阪泉南アスベスト国賠訴訟や首都圏建設アスベスト訴訟など、国や企業の責任を追及するアスベスト裁判が全国各地で闘われていますが、長期化することにより原告(被害者)の高齢化が大きな問題となっています。また、企業が社会的責任を明確にし「謝罪」をしたという事は、大きな意味を持っています。

 集会で、私は以下のようなあいさつ(大要)を行いました。

高松平和病院のアスベスト・じん肺についての取り組みについて報告する梶義照先生(生協みき診療所所長)
高松平和病院のアスベスト・じん肺についての取り組みについて報告する梶義照先生(生協みき診療所所長)

 30年近く前、高松平和病院に通院中の患者のアスベスト労災問題に、梶義照医師(現・生協みき診療所所長)を中心に取り組みを行い、香川県で初めてアスベストによる労災認定を認めさせた。それ以来、高松平和病院・生協みき診療所・善通寺診療所で、一貫してアスベスト、じん肺に取り組んで来た。今回の全面勝利は、今日の集会に参加した方、健康上の理由で参加できなかった方、そして、私たちの取り組みの成果でもあると考えている。

 しかし、被害者の方の健康の問題はこれからも続くし、「アスベスト問題」は、ある意味でこれからの課題でもある。香川県で言えば、西讃の神島化学、旧・国鉄労働者、造船企業、全国的には下水道事業に働く地方公務員など、まだまだ問題は山積している。これからが正念場で、医師を始めとする医療従事者の役割は大きいと感じている。皆さん方と一緒に、これからも運動を進めて行きたい。

 注:共同声明の前文は、下記のアドレスを参照下さい。

 http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/files/seimei09928.rtf


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