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「事業仕分け」を考える(その1)
(第291回 12月1日 )

 11月27日に「事業仕分け」が終わりました。3千ある国の事業のうち、約450事業が対象となりましたが、その7割は「財務省案が採用され」「実際の仕分けで、(財務省)主計官が冒頭、「効果が薄れている」などと説明し、「廃止、縮減連発」の流れを作った」(「毎日」11/28)とされます。

 また、「行政刷新会議の事務局が事業仕分け作業にあたって作成したマニュアルの存在が17日、明らかになった。マニュアルは事前に仕分け人に配布され、これをもとに仕分け作業が進められ」「対象事業の問題点を列挙した上で、担当省庁の反論に対する再反論の方法までも指南した内容。そこに盛り込まれた具体例からは、財務省が好みそうな「成果主義」「行政効率」「受益者負担」などの原則が浮き彫りになって」(「産經」11/17)います。

 もちろん、これまで密室で行われて来た議論が「公開」されたことや、不明瞭だった天下りの実態や、「ムダづかい」の実態が明らかになるなど、政治を変えてほしいという国民の意思を反映した面は評価されるべきだと思います。

 しかし、科学技術関連予算の廃止や削減が相次いでいることを受けて、旧帝大・早大・慶大の学長9人が11月24日に記者会見し、事業仕分けを批判する共同声明を発表しました。予算削減に対して「科学技術立国の基礎の崩壊、学術文化の喪失に至る」「世界の知の頂点を目指すことを抛擲(ほうてき)するならば、日本の発展はありえない」と述べています。

 また、歴代のノーベル賞受賞者たちも25日に記者会見し、「科学技術で世界をリードしようというのが現政権の政策だと思うが、どういう整合性があるのかまったく理解できない」などと述べ、事業仕分けの進め方を批判しました。

 全体像が不明確な中で、細かな点だけをあげつらい、マスコミが「小泉劇場」の再来のように報道している印象が強い、というのが率直な感想です。

 先日、中小企業関連の仕事をしている方と懇談したおり、この件が話題になりましたが、財務省がこれまでできなかった「予算削減」を、政権交代を機会にやっている面が強いのではないか、本当の「無駄」にはまだ手がついていないのではないかいう話になりました。

 しばらく、この話題を取り上げてみたいと思います。


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