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憲法96条を改正すべきではありません

(第572回 5月10日 )

 衆議院の憲法審査会は5月9日、憲法の改正要件を定めた96条の見直しについて議論を行いました。

 憲法96条は、日本国憲法第9章の「改正」の章の条文で、「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする」というものです。

 安倍政権や自民党などの改憲をめざす政党は、憲法改正の発議に各院の3分の2以上の賛成が必要というのは、ハードルが高すぎるといいます。

 しかし、米国では、上下両院の3分の2以上の賛成で発議され、4分の3以上の州議会の賛成がなければ承認されません。それでも、1951年に「大統領3選禁止」や1971年の「選挙権年齢の18歳への引き下げ」などの改憲が行われてきました。

 憲法改正を行いたければ、両院で3分の2以上の議席を得るか、同じ意見を持つ政党間で合意を得て発議すればよいのです。

 日弁連(日本弁護士連合会)は3月14日に「憲法第96条の発議要件緩和に反対する意見書」を公表しました。それによると、「日本国憲法は国の基本的な在り方を定める最高法規であるから,憲法が改正される場合には,国会での審議においても,国民投票における国民相互間の議論においても,いずれも充実した十分慎重な議論が尽くされた上で改正がなされるべきことが求められ,法律制定よりも厳しい憲法改正の要件が定められたのである」とし、「簡単に憲法が改正されるとすれば,国の基本法が安易に変更され,基本的人権の保障が形骸化されるおそれがある」と指摘しています。

 確かに、小選挙区制度の下で、300議席を超える巨大与党が簡単に出現し、選挙のたびに与党が変わる時代になりました。もし、96条を変えて過半数で憲法改正の発議ができるようになれば、選挙のたびに与党が変わり、憲法が改正される時代になるかもしれません。

 憲法改正論者で有名な慶応大学の小林節さんは、「憲法は権力者たちを縛るものです」「法律よりも厳格な手続きが必要だからこそ、憲法なんです」(しんぶん赤旗日曜版4月28日号)と述べています。憲法を法律のように変えようというのは「邪道」、大学でいうと「裏口入学」とも指摘しています。

 憲法9条の改悪につながる、憲法96条の改定には反対です。

 ※以下のHPを参照ください。
 http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2013/opinion_130314_2.pdf


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