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生活保護制度切り捨てについて異議あり
(第7回 10月13日)

 自民党・公明党が進める社会保障費削減による、生活保護制度の見直しが始まっています。老齢加算が 06 年度に廃止になったのに続き、母子加算の廃止も、早ければ 07 年度から実施とされており、社会保障審議会の一人も「生存権の最後のとりでも、もはや聖域ではない」( 9 月 18 日「朝日」)と語っています。

 国の動きと軌を一にして、香川県内でも生活保護制度に対する逆風が吹いています。警察官を窓口に配置している高松市だけでなく、小豆島町(旧内海町)でも問題が明らかになりました。

 旧内海町では、生活保護率が県下でも高く約 22 %でしたが、合併前の1年間で 2.4 %も減少、保護数も 03 年度 313 人から、 05 年度 216 人と 100 人近く減少しました。新規申請のうち却下・取り下げは、 03 年度 19 %から 05 年度 53 %と3倍に増加しており、「保護率をさげるために入り口を狭めているのではないか」(白川容子議員(共産) 9 月 29 日県議会・文教厚生委員会)との指摘もあります。

 今年の1月には、 82 才の寝たきりの女性が生活保護を受けられぬまま、衰弱死していた事が最近明らかになりました( 9 月 23 日「毎日」)。

 記事によると、女性が昨年 2 月から 10 月にかけ、病院に入院後、老人保健施設に入所。その間の自己負担分計 56 万円余を払い切れず、息子さんが面倒を見る事になりました。しかし、息子さんも病気がちで、事業に失敗したための借金もあり、生活は困窮。 11 月に母親名義で生活保護を申請しましたが、「男性と同居していることを理由に取り下げるように言われ」取り下げたものです。「男性の……月収は2〜3万円。次第に母の食も細り、最後は巻きずしを一切れ口に出来るかどうかという状態だったが、医者にかかることも出来」ず、栄養失調により衰弱死したものです。

 厚生労働省によれば、生活保護は「申請を受け付けるのが基本」で、役所の「窓口に申請書は置ける」のが当然ですが、現実はそうなっていません。

 心不全で来院した患者を緊急入院させ、入院後に生活保護を申請した事例に対し、入院を認めた経緯について文書報告をしなければ医療保護を認めないと、医師に詰め寄った例も報告されており、セーフティーネットが人為的に崩されようとしていることに怒りを覚えます。県の担当者は「ケースワーカーのスキルの問題と」していますが、やはり、香川県や高松市などの行政のありかたに問題がある事は間違いありません。


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