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「やらせ発言」で教育改革はできない
(第16回 11月14日)

 教育基本法「改正」案が 14 日に教育基本法特別委員会で採決、 17 日にも衆院通過と報じられています。しかし、教育分野の憲法ともよばれる重要法案でありながら、目標としていた審議時間が先の国会と合わせ 70 〜 80 時間を超えたから、参院での討議に1ヵ月かかるからというのが理由で( 11/8 四国)、決して十分な審議がなされている訳ではありません。

 しかも、今年9月に青森県八戸市で開催された政府主催の教育改革タウンミーティング(TM)で教育基本法改正に賛成の立場で行われた発言が、「やらせ質問」であった事が判明しました。さらに、9日には内閣府が、これまでに8回行われた教育改革TMの内、5回のTMで同様の「やらせ」があったと公表しました。

 青森のTMでのやらせについて、塩崎官房長官は「会の活性化のために」( 11/8 朝日)やらせ発言を組織したと釈明していますが、「できるだけ自分の言葉で」「せりふの棒読みは避けてください」「自分の意見を言っているという感じで」などと細かく指示し、さらに「意見発表を依頼されたことは言わないように」と口止めまでしており、教育基本法「改定」賛成が国民の中で多いかのようにみせかける「偽装工作」です。これは、民主主義のルールを大きく逸脱するもので、決して許すことはできません。

 さらに問題なのは、やらせ質問の原案が、教育基本法の所管官庁である文部科学省が作成した事です。教育基本法第 10 条には「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」とあります。やらせ質問による偽の世論形成に「服することなく」、法案をいったん撤回するべきです。

 いじめ自殺の問題や、必修科目の未履修問題など、現在の教育の抱える問題点が次々に明らかになる中で、今必要な事は、教育の現場におしつけられている過度の競争、できる子・できない子に振り分けられる選別教育、学校のランキングなど、およそ教育にふさわしくない現実をどう改善するかを考えることではないでしょうか。

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