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 日本生協連・医療部会発行の、「虹のネットワーク」 2007 年3月号のコラム「社会派 しんさつ室」に掲載された文章を転載します(少し手直ししました)。

後期高齢者医療制度について(3)
(第50回 3月30日 )

 75才以上のすべての高齢者が加入する後期高齢者医療保険制度が、2008年4月から始まります。都道府県単位で、すべての市町村が加入する「広域連合」が運営を行います。

 高齢者の保険料負担は全体の約 10%です。保険料はこれから決まりますが、介護保険と同じく年金から天引きです。年額18万円以上の年金受給者で、介護保険料と合わせた額が年金額の50%以下なら天引きの対象となります。50%を超えた場合は、介護保険料が優先されます。

 国民保険と同じで、保険料を滞納したら資格証明書が発行され、医療機関の窓口でいったん全額支払わなければなりません。保険料負担が多額なために滞納した人が全額の窓口負担ができるでしょうか?必要な医療が受けられなくなる可能性が大きくなるのではないでしょうか。

 診療報酬について、昨年 12月に国民健康保険中央会が報告書を発表しました。それによれば、「診療所の中からかかりつけ医を選び、最初にかかりつけ医を受診する」と提案しています。しかし、中小病院の果たす役割が否定されている、近くに内科の診療所がない場合、眼科や耳鼻科医に腹痛や腰痛でいったんかからなければならず、かえってムダが生ずる可能性が高い、など多くの問題点が含まれています。

 何より問題なのは、日本の医療の最も優れた点である、フリーアクセス=「いつでも、どこでも、誰でも」医療を受けられる制度が根幹から崩される事にあります。

 また、自治体健診が廃止され「特定健診」に移行しますが、 75才以上は保険者の努力義務とされており、財政事情によって廃止される事も考えられます。

 さまざまな面で問題のある、高齢者医療制度の改善を行う世論作りが求められています。


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