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療養病床の医療区分の再改定を求めます
(第54回 4月13日 )

 前回に続き療養型病床の現状について触れます。

 今回の医療改革が医療費削減を目的とするものであることについては、これまでも触れて来ましたが、療養型病床については、 2006 年 4 月の診療報酬改定で医療区分1の報酬を大幅に引き下げ( 7 月実施)経営的な面から患者の追い出しを図り、 10 月からの食費・居住費の新たな自己負担により負担額は 1 ヵ月 6.4 万円から 9.4 万円と 1.5 倍に増加、経済的な面での退院を促進して来ました。

 また、 2012 年には介護療養病床を廃止、療養病床を 38 万床から 15 万床に減らすことを決めています。

 2006 年 10 月 25 日の中央社会保険医療協議会総会で、日本医師会は「療養病床の再編に関する緊急調査」を報告しました(日医ニュース第 1085 号)。

http://www.med.or.jp/nichinews/n181120a.html

 療養病床の届出のある医療機関へのアンケートを行い、約半数から回答。「医療区分1」は入院患者全体の 42 %を占め、その 31 %が「病状不安定で退院の見込みがない」と判断されていました。判断の理由として「一定の医学的管理を要する」「処置が必要」が 68 %を占めています。また、医療区分1の患者の 63 %は病状が安定しているが、「在宅での受入れが困難で現実には他院不可能」が 70 %、「施設入所待ち」が 20 %あるとしました。

 その結果、「医療難民」が 2 万人、「介護難民」が 4 万人発生する可能性が高く、厚労省に対して是正を求めました。

 2006 年 12 月 18 日、保団連(全国保険医団体連合会)は、 29 の都道県保険医協会・医会へのアンケート調査結果を公表しました。

http://hodanren.doc-net.or.jp/news/tyousa/0612ryouyou/matome.html

 医療区分1の患者で、「容態急変の可能性は低く、福祉施設や在宅によって対応できる」のは 47.6 %で、半数以上が施設や在宅では対応が困難であることを示しています。「福祉施設や在宅によって対応できる」患者のうち、行き先が決まっていないのは 48.4 %で、施設不足や在宅での介護・医療サービスの整備が不十分であることが明らかになりました。

 元々「寝たきりで重度の意識障害があり、食事を口から取ることができず胃チューブから流動食を注入し、心不全の合併症を持つ」患者でも医療区分1に分類されます。保団連の事例でも「インスリン注射が必要だが自己注射できない一人暮らし」「毎日喀痰の吸引が必要だが8回未満の場合」など、医療区分そのものに問題があることが明らかです。

 早急に医療区分の見直しと、介護療養病床廃止の撤回を求めるものです。


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