(第81回 7月27日 )
7 月 25 日付「四国」に、「日本の医師数 27 位 予防医療軽視の側面も」という見出しの記事が掲載されました。共同通信の配信記事を元にしたものですが、要旨は以下の通りです。
「【パリ 24 日共同】経済協力開発機構(OECD、 30 カ国、本部パリ)は 24 日までに、先進国が中心の加盟各国の医療を比較する「ヘルスデータ 2007 」を発表した。人口 1000 人当たりの医師数を見ると、日本は 30 カ国中 27 位の 2.0 人( 04 年)で、OECD平均の 3.0 人を大きく下回る。一方、1年間に医師の診察を受ける回数は、日本は国民1人当たり 13.8 回( 04 年)で、データがある 28 カ国中で最多。少ない医師が多くの診察をこなさざるを得ないことが分かる」と述べています。
OECD 東京センターの発表記事はさらに詳しくこの問題を解説しています。
「 OECD 諸国の医師数は過去 15 年間で 35% 増加し、 280 万人に達しています。大半の国で、この伸びは主に専門医の増加― 1990 〜 2005 年の伸びは一般医( GP )が 20% 増に対し専門医は約 50% 増―によるものです。
ほぼすべての OECD 諸国で 1990 〜 2005 年に人口千人当たり医師数は増加しましたが、その前の 15 年間に比べると増加ペースは鈍っています。これは、多くの国が 1980 年代から 1990 年代にかけてコスト削減措置を導入し、医学部への入学者数を制限して新医師数を減らすいわゆる「入学定員制限」政策をとった結果です。
1990 〜 2005 年に、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、スイスでは、年間の医学部卒業生数が減少しました。近い将来に医師養成の取り組みを大幅に強化しなければ、多くの国が、ベビーブーム世代の医師の引退に伴い、ますます外国で養成された医師に頼らざるを得なくなります」
また、上記「四国」の記事は「日本の一人当たりの医療費は約 28 万円相当で。 30 ヵ国注 19 位。厚生労働省は医療費抑制を目指すが、日本の現状は OECD 平均を下回り、先進 7 ヵ国では最低だ」と結んでいます。
日本の医師不足の原因が、「医師の偏在」にあるのではなく、絶対的な不足であること、また、日本の医療費は今すぐ削減が必要なものではなく、必要な医療従事者を雇用可能なように、むしろ増加させるべきものである事を示しています。
以下のHPを参考にしました。 http://www.47news.jp/CN/200707/CN2007072401000503.html
http://www.oecdtokyo.org/theme/hea/2007/20070718healthdata.html
|