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WHOの提唱する「アクティブ・エイジング」(その2)
(第112回 11月16日 )

 前回に続き、「アクティブ・エイジング」の内容を紹介します。

 アクティブ・エイジングに影響する要因には、文化、保健・社会福祉制度の他、「行動的決定要因」つまりライフスタイルの問題があります。「健康的なライフスタイルを採用し、自分のケアに積極的に参加する」ことが年齢にかかわらず重要であると指摘しています。そして、老年期になってからライフスタイルを変更しても遅すぎることはない、として、以下の項目を取り上げています。

 「老年期に適度な運動を行い、健康的な食生活をし、タバコを吸わず、アルコールと医薬品を賢く摂れば、疾病や機能低下を防止し、寿命を伸ばし、生活の質を向上させる」としています。それに加え、「口腔衛生」として、虫歯、歯周病、歯の喪失、口腔ガンなどは全身の健康問題を引き起こし、生活の質を低下させます。

 医療生協の健康習慣(高齢者版)の8つの生活習慣は以下の通りですから、医療生協運動と多くの点で一致していると言えます。

 (1)生活リズムを整え快適な睡眠をとる、(2)社会参加をすすめ、ボランティア活動などにとりくむ、(3)禁煙にとりくむ、(4)過度の飲酒をしない、(5)適度の運動を定期的につづける、(6)低塩分、 低脂肪のバランスのよい食事をとる、(7)間食を控え、 朝食をとる規則正しい食生活、(8)できるだけ多くの歯を保ち、かむ機能を維持する

 物理的環境では、安全な住宅、転倒事故、きれいな水・きれいな空気・安全な食物が重要な因子です。安全な住宅とは、医療や福祉に対するアクセスの良さ、転倒のリスクを高めるような家庭内の危険の除去です。転倒事故を予防のための注意点として、不十分な照明、滑りやすい通路、でこぼこな道路、手摺りがないなどがあげられます。

 社会的環境では、社会的支援、暴力と虐待、教育と識字が重要な要因です。高齢者は家族や友人を亡くす可能性が高く、孤独や社会的孤立に陥りやすいのが特徴です。老年期の社会的孤立と孤独は、身体的健康と精神的健康のどちらの低下にも大きな関係を持っています。高齢者のための社会的ネットワークを育成することが重要です。ここでも医療生協の出番、特に班活動の重要性を感じます。

 経済的環境では、所得、社会的保護、労働が重要な要因です。十分な所得を持たないと「栄養価の高い食物、十分な住宅や医療を得る機会に深刻な影響を与え」「低所得の高齢者が高度の機能を維持する可能性は、高所得の高齢者の3分の1である」との研究を紹介しています。

 

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