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高齢者にやさしい都市ガイド(その1)
(第119回 12月18日 )

 第 107 回と第 111 回で紹介した「高齢者にやさしい世界の都市ガイド」 (Global age-friendly cities : a guide) の内容を紹介します。

 まず、これまで 3 回に分けて紹介した「アクティブ・エイジング」について簡単に紹介した後、調査を行った 8 つのテーマ( topics )について述べています。屋外スペースと建物、交通機関、住居、尊厳と社会的包摂、社会参加、市民参加と雇用、コミュニケーションと情報、地域社会の支援と保健サービスです。第 5 章から第 12 章までに分けて、世界の 33 の都市の実態を明らかにしています。

 第 5 章は屋外スペースと建物です。環境は高齢者の自立と生活の質に影響します。心地良く清潔な環境、自然の美しさは、都市の「やさしさ」の表れといえます。リオデジャネイロ(ブラジル)やカンクン(メキシコ)では海のそばで暮すのが有利であり、メルヴィル(オーストラリア)やロンドン(イギリス)では川のそばがよいとされています。

 一方、都市の清潔さと騒音と臭いに不満を訴えています。緑地の存在も重要です。さらにその緑地が、高齢者が自由に利用できることも保障されなければなりません。長い間歩くのは困難なので、座る場所や休憩所が必要です。歩道はどうでしょうか?歩道に車が駐車している、段差の多い歩道も沢山あります。

 安全に渡れる横断歩道かどうか、信号が変わるまでの時間を表示する「カウントダウン」表示も重要です。ドライバーが、横断歩道をゆっくり渡る高齢者を大事にしているのかという問題もあります。

 高齢者たちの声を紹介します。

 「朝は4時に起きます。騒音がひどいので」:イスタンブール(トルコ)

 「公園では自動車が暴走し、スケートボードやローラーブレードが走り、大きな四つ足の獣が跳ねまわる」:メルボルン(オーストラリア)

 「椅子に座れる場所がほとんどない。疲れたら座る必要がある」:メルヴィル

 「歩道のせいで転んで、肩を怪我した」:ダンドーク(アイルランド)

 「信号機はオリンピック選手用だね」:ハリファックス(カナダ)

 「横断歩道はありますが、ドライバーは歩行者を尊重しません。心臓が強くないとかがみ込んでしまいます」:ジャマイカ

(次回に続く)

 

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