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特定健診制度の問題点
(第164回 6月17日 )

 この4月から、検診制度が大幅に変更になりました。これまで自治体が行って来た検診は、老人保健法にもとづく制度でしたが、老人保健法が廃止になったため変更されたものです。第103回(2007/10/16付)・135回(2008/2/19)で紹介して来ましたが、いざ始ってみるととても大変です。

 後期高齢者の検診について、厚労省は都道府県の広域連合の判断によるとしていました。また、生活習慣病で通院中の患者は対象から除外するとしてきました。しかし通院中であることの判断は、医療機関から提出される「診療報酬明細書」(レセプト)を見なければ解りませんから、実際は大変な作業です。香川県ではこの事務作業が煩雑であることから、全員を対象にするとしてきました。これは極めて当然の判断だと思います。

 私が所長をしている診療所は善通寺市にありますが、4月下旬の医師会の会合での説明会では、対象者の絞り込み等の事務作業の遅れから「今日は説明をしません」という説明でした。5月の会合時の説明では細かな点は事務方にということだったので、今一つよくわからない内容でした。6月に入り、検診受診者が少しずつ増えて来ましたが、事務作業が大変ですし、制度変更の内容を受診者に説明するのが一苦労です。

 この後の、国保連合会への請求も問題がありそうです。全国の医療生協の報告でも、「各市町村、国保連(国民保険連合会)、国保中央会の考え方がバラバラで、厚労省の示した形式で請求しても、国保連のシステムでは取り込めず差し戻されている」(請求しても受け取ってくれない。つまりは、検診料金が支払われない!)「完全に請求できた生協は少ない」「国保連合会に問い合わせても返事が返って来ない」「説明会が遅れている。説明会のたびに内容が変化する」など、後期高齢者医療制度もそうですが、2年前に決めておきながら、これまで何をやっていたのか、といいたくなります。

 また、多くの自治体で、これまでおこなってきた「人間ドック」の助成が打ち切られたり、受診医療機関の制限があるため受けにくくなるなどの問題点がでてきています。善通寺市でも、善通寺市内では国保ドックが受けられなくなったため、「何故やめたのか」などと抗議を受けることもあります(善通寺市が、市外の医療機関のみに制限したためなのですが)。

 こちらの制度改悪も中止撤回してほしいものです。

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