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 地方政治新聞「民主香川」に「医療制度改革関連法の全体像と問題点」を連載しています。2008年5月25日号(1424号)に掲載した「後期高齢者医療について その2」です。

後期高齢者診療料について
(第165回 6月20日 )

 後期高齢者医療制度に対する反発が強まっています。更に運動を広げ、中止・撤回に追い込みたいと思います。

 都道府県議会など1868ある地方議会のうち、後期高齢者医療制度の中止・撤回等を求める意見書を採択した議会は577で、31%になりました。

 高齢者医療制度の導入を了承したはずの日本医師会でも、都道府県レベルでは異論が続出しています。

 5月6日付「赤旗」は、「後期高齢者医療制度」や、この制度の骨格をなす「後期高齢者診療料」の算定について、全都道府県医師会の半数を超える27医師会が「反対」「慎重な対応」など批判的な態度を表明していることを報道しました。

 後期高齢者診療料の内容については、3月23日号に詳述しましたが、定額制のため十分な医療を受けられなくなる可能性が高く、「お婆捨て医療制度」の象徴と言えます。

 厚労省が5月14日に開催した担当者会議の資料では、後期高齢者医療診療料の届出を行った内科診療所()は、全国平均で23.7%、反対運動を行っている青森県ではゼロです。

 「国で決まったことだから」と、医師会主催の研修会を積極的に行う香川県は全国5位の高さですが、それでも47.6%で、この制度を懐疑的にとらえている様子がよく表れています。

 東京都杉並区のある診療所が「後期高齢者診療料の算定を開始したが、患者の声により中止した」として、ニュースに取り上げられるなど、批判が強まっています。

 厚労省はホームページ内に「“長寿医療制度”が始まりました」という欄を作り、宣伝に必死です。特に保険料についての批判が多いことから、「医療給付費の5割に公費を投入、現役世代から4割を仕送りし、国民皆で支えます。高齢者は、従来と同水準の一割です」と、説明しています。

 しかし、この説明には三つの「ウソ」があります。

 まず、現役並み所得と認定されると公費が投入されず、その分現役世代からの負担が増え、実際は公費46%、現役世代44%です。

 現役世代は後期高齢者だけでなく、前期高齢者の分も負担しますから、際限なく保険料が増加します。既に健保組合の多くが赤字となり、保険料は大幅に上昇しています。

 後期高齢者が増えればその分、後期高齢者の保険料も値上がりします。団塊世代が加入する2025年には現在の2倍になります。

 

※数値は、主に内科診療を行うことを届け出ている「主たる診療科」で数えた数です。

注:本稿は、5月16日現在の情報で執筆しています。


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