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香川医療生活協同組合

郡山医療生協の集会報告(3)—東電原発事故から「権利章典」を考える

(第500回 5月15日 )

 郡山医療生協の第22回活動交流集会の報告で、5月8日付(第498回)の続きです。

 3月12日の夜中に、東京電力の原発事故のため、富岡町・大熊町の住民数百人が郡山市北部の熱海町に避難、全員が寝たきりという特養入居者50人が職員と共に施設ごと避難してきました。地域では住民が炊き出しなどの協力を行う中、翌13日には特養の方以外は、福島県の指示で桑野協立病院近くの郡山高校に移動してきました。

 行政と連携し避難所の支援に入りましたが、着の身着のままで避難、糖尿病治療に不可欠のインスリンを持ってきていないなど、医療支援が必要な実情が明らかになりました。その夜には、大熊町から、早急に医療が必要な住民の氏名、病名、常備薬が書いた手書きのリストがFaxで送られてきました。

 それ以来、4月3日に会津市に避難所が移転し会津医療生協に申し送りするまで、臨時の外来を行う医療支援、健康チェックや健康相談を行う医療ボランティア、炊き出しの活動を行いました。前日に300人分の食事を依頼され、地域組合員など住民や社協などの行政とともに実現したなどの報告がありました。

 5月に大熊町の職員から、「郡山での辛かった避難所生活を想い返すたびに、耐えることができた大きな支えは、避難当初からの絶大なる支援があったからこそと深く感謝申し上げます」と、お礼の手紙が届きました。

 保育園での、除染など放射線量を極力下げる取り組み、散歩コースもあらかじめ放射線量を測定しコースを選定するなどの努力の中で保育を実践する報告もありました。1年以上たった今でも、側溝に泥がたまると放射線量があがることもあるようです。これからも長期的な取り組みが必要とされています。

 これらの報告の後私が講演を行いましたが、講演後の感想として佐藤看護部長が次のように発言しました。

 この20年「患者の権利章典」に関わってきた。昨年の3・11以降、私が考えたのは、放射能汚染に立ち向かうにあたり「医療生協の患者の権利章典」の視点を位置付けることだが、いままで、患者に「提供する」ということだけで「権利章典」を見ていて、それを話していたような気がする。だが、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、この「権利章典」が、本当に自分たちの権利だというか、それがぴったりしたという感じを持った。坪井院長は「平成民権運動」といったが、主権者としての私たちの権利と責任という内容ではないかと思っている。

 「医療福祉生協のいのちの章典」(案)の提起をするうえで、随分勉強になった1日でした。

開会あいさつを行う橋本理事長   開会あいさつを行う坪井院長
開会あいさつを行う橋本理事長   開会あいさつを行う坪井院長
郡山医療生協からは、休日を除き毎日ニュースが送られてきます。善通寺診療所では待合室のTVの下に掲示しています   坪井院長が郡山医師会報に掲載した文書を待合室の壁に掲示しています。マスコミ報道から消え去った「フクシマ」の状況を忘れないよう にしなければいけません
郡山医療生協からは、休日を除き毎日ニュースが送られてきます。善通寺診療所では待合室のTVの下に掲示しています   坪井院長が郡山医師会報に掲載した文書を待合室の壁に掲示しています。マスコミ報道から消え去った「フクシマ」の状況を忘れないよう にしなければいけません

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