(第541回 11月30日 )
11月29日の午後、善通寺市内で「第1回地域連携懇談会」を開催しました。主催は、訪問看護ステーションほがらか、ヘルパーステーションほがらか、善通寺診療所の3者で、地域の医療機関やケアマネジャーなどに呼びかけ、外部の方9名と、香川医療生協の職員12名の計21名で開催されました。
これまでケアマネジャーの会合などでの交流や個別の患者を通しての話し合いなどはありましたが、さらに医療連携を深めるためには、顔の見える関係、気軽に相談できる関係作りを進める必要があるため、これまで交流のあった善通寺市内の方や事業者に声をかけて開催しました。
はじめに、松岡師長よりこれまでの経過や今回の企画の狙いについて説明があった後、私が開会あいさつをしました。
独立行政法人国立病院機構善通寺病院地域連携室の宮武師長から、「看看連携の取り組みについて」報告がありました。急性期病院の看護師に対して、在宅医療について理解を深めるための取り組みを行った効果についての報告でした。やはり、具体的な症例を元に議論をすすめることが大事だと思います。
続いて、訪問看護ステーションほがらかの音地所長から、具体的な病診連携の事例が報告されました。その後、3つのグループに分かれて、各事業所の現状報告、現場の悩みなどが交流されました。
地域連携という概念が医療業界で一般的なものになったのは、2000年以降だと思います。2000年4月の診療報酬改定で、200床以上の病院で紹介率が30%以上の場合「紹介外来患者加算」が設定されたことにより、患者を紹介してもらうために多くの病院で「地域医療連携室」が設置され、地域連携という考え方が広まりました。
しかし、2006年4月の診療報酬改定で紹介率を前提とした加算がすべて廃止となったため、「医療連携」が一時的にストップした印象がありました。2007年に日本生協連医療部会の医活委員長だった時に、「これからの地域医療連携」(注)を出版し「はじめに」の部分を執筆しました。サブタイトルは「診療報酬改定に左右されない地域連携活動を」です。
地域包括ケアが進められる現在、医療、介護だけにとどまらない中身のある連携が求められていると思います。
診療情報などを知らせるだけの「医療連絡」から、患者・利用者にとって何が大事で自分たちに何ができるのかを考えることのできる「医療連携」が求められていると思います。
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熱心に報告を聞く参加者たち。部屋が少し狭く、グループ討議は大きな声を出さないと聞こえないので、まさに「白熱の議論」 (笑)になりました。リラックスした雰囲気で、本音がでた気持ちのいい会合でした。 |
注:本欄第38回(2007年2月13日)を参照してください。
http://www.kagawa.coop/closeup/hiraihou/20070213.html
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