あなたにもあげたい 笑顔 健康

TOPヘ

香川医療生活協同組合

映画「ひまわり」を見て米軍基地と「主権回復の日」について考える

(第569回 4月16日 )

 14日の日曜日、高松市内で上映された「ひまわり~沖縄は忘れない、あの日の空を~」という映画を見ました。

 この映画について知ったのは、昨年3月に「いのちの章典」の講演を沖縄で行った時のことです(本欄第492回=2012年3月30日=参照)。沖縄医療生協理事長との懇談の席上、「宮森小学校」でおきた事故を題材にした映画を作るので、全国の医療福祉生協で協力をしてほしいという話を聞きました。実は、「宮森小学校」という名前を聞くのは初めてだったので、大変驚きました。

 「宮森事件」というのは、1959年6月30日、米軍のジェット戦闘機が、石川市(現・うるま市)に墜落、その衝撃で撥ね上がり、付近の家々を引きずるようにしながら150m先の宮森小学校のコンクリート校舎の庇に激突。家々とすぐ隣の2年生のトタン葺き校舎3教室は撒き散らされた大量のジェット燃料で激しく炎上しました。この事故で18名(内後遺症により1人)の尊い命を奪い、多数の重軽傷者を出しました。(映画「ひまわり」のHPより引用)

 当時は沖縄は米軍の統治下にありましたから、本土での報道はもちろん、沖縄でも十分報道されることはなかったようです。

 事故の原因は長く公表されることなく、1999年に琉球朝日放送が入手した軍資料により、整備不良の飛行機の運航であったことが明らかになりました。防ぐことのできた人災だったのです。

 話は変わりますが、政府はサンフランシスコ講和条約が発効した4月28日を「主権回復の日」として式典を行うことを決めています。しかし、この条約は、沖縄のほか、奄美群島・小笠原諸島を米国の統治下におくことを決めた、「屈辱の日」です。決して「記念」する「式典」を行う日ではありません。

 昨年の12月23日の天皇誕生日に行われた記者会見で、「沖縄訪問の感想を聞かせてください」という質問に対し、天皇は「沖縄はいろいろな問題で苦労が多いことと察しています。その苦労があるだけに日本全体の人が、皆で沖縄の人々の苦労をしている面を考えていくということが大事ではないか」と答えました。天皇家の発言として色々な意見や思いがあるでしょうが、沖縄の問題は日本全体の問題であるという意味では、言葉通りにとらえてもいいのではないかと思います。

 オスプレイ配備の問題、基地の問題、これは沖縄だけの問題ではなく、日本の、日本人全体の問題としてとらえる必要があります。沖縄に必要がないものは、日本のどこにいっても必要ないのです。

 映画を見た後、そんなことを考えました。

 ※香川県内では、4月21日(日)に、ユープラザうたづで、6月16日(日)に、丸亀市生涯学習センターで上映されます。詳細は、善通寺診療所(0877-62-0311)など香川医療生協の事業所、香川映画センター(087-835-2077)にお問い合わせください。

 ※下記のHPを参照ください。

 1.映画「ひまわり~沖縄は忘れない、あの日の空を~」
http://www.ggvp.net/himawari/

 2.東京新聞に掲載された天皇記者会見の全文
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/koushitsu/121223/okotoba.html

 3.主権回復の日に関する「沖縄タイムス」4月15日付社説
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-04-15_48062


関連項目へ 矢印 "飛来峰"バックナンバー

TOPへ 香川医療生活協同組合
フッターのライン