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香川医療生活協同組合

最悪の庶民課税「死亡消費税」は許せません

(第589回 8月2日 )

 自公民3党が決めた「税と社会保障の一体改革」をすすめるための、「社会保障推進法案」の第9条には「社会保障制度改革を行うために必要な事項を審議するため、内閣に、社会保障制度改革国民会議(以下「国民会議」という。)を置く」と定めています。

 「国民会議」について、日経新聞は「委員の多くは現行制度を前提に給付抑制や負担増に取り組むべきと主張している」と評価しています。

 6月3日に開催された、「第13回社会保障制度改革国民会議」で、委員の一人である伊藤元重・東大教授が次のように発言しています(注参照)。

 「私の個人的なアイデアなのですけれども、死亡消費税という考え方があるだろうと思います。これは相続税ではありませんので、誤解していただきたくないのですけれども、亡くなられた段階で消費税をいただく。60歳で定年されて85歳で亡くなった間に一生懸命消費して日本の景気に貢献してくださった方は消費税を払ってお亡くなりになる。60~85歳の間消費を抑え、お金をお使いにならないでため込んだ方は消費税を払わないでお亡くなりになる。しかもそれが相当な金額にならない限りは、遺産相続税の対象にはならない。ですから、生前にお払いにならなかった消費税を少しいただくという意味も込めて、死亡時の遺産に消費税的な税金をかけるという考え方がありえます。」

 「週刊ポスト」は「棺桶を掘り返す"墓泥棒"まがい」と表現していますが、確かにそういう一面はあると思います。

 相続税は、相続人の生存権を保障するため一定額までは税がかからない仕組み、基礎控除があります。現在は、5000万円+1000万円×法定相続人数です。例えば、男性が死亡、妻と2人のこどもが相続する場合は、5000+1000×3=8000万円までは相続税がかからない仕組みです。実はこの制度は2015年1月1日から変更になり、3000万円+600万円×法定相続人になります。先ほどの例なら、3000+600×3=4800万円に引き下げられ、この変更により、課税対象者が1.5倍に広がると言われています。いまでも、税をとりたてる対象を広げる仕組みがあるのです。

 高齢者が、つましい生活を送り、こどもや孫に多少なりとも財産を残そうとしても、そこからも「消費税」を取り上げようという発想です。消費税とは、消費に伴う税金です。消費しなくても、持っているだけで税金がかかるのなら、「証券優遇税制」など富裕層に対する税の仕組みの見直しを行うべきです。

 ※伊藤氏の提示した資料
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai13/siryou2.pdf

 ※会議の議事録です。引用した伊藤氏の発言は、32ページ参照
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai13/gijiroku13.pdf


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