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2014年4月からの消費税増税は中止すべきです(その2)

(第602回 10月4日 )

 10月1日安倍総理は官邸で記者会見を開き、「本日、私は、消費税率を法律で定められたとおり、現行の5%から8%に3%引き上げる決断をいたしました」と4月からの消費税増税の決断を行ったことを表明しました。

 その理由として、「民間給与はわずかに上昇傾向に転じました」「日本経済は……回復の兆しを見せています。2期連続で3%以上のプラス成長、有効求人倍率も0.95まで回復しました。生産も消費も、そしてようやく設備投資も持ち直してきています」「大胆な経済対策を果断に実行し、この景気回復のチャンスをさらに確実なものにすることにより、経済再生と財政健全化は両立し得る」と述べました。

 しかし、1日発表された経済指標(いずれも速報値)をみてみると、どの指標をとっても、「回復の兆しを」見せたとはいえません。

 労働力調査(総務省)では、8月の完全失業者数は271万人で、7月の255万人に比し20万人の増加。完全失業率は4.1%で、前月に比べ0.3ポイント上昇しています。

 厚生労働省の8月の毎月勤労統計調査(従業員5人以上の事業所)では、「現金給与総額」の平均は前年同月比0.6%減の271,913円となり、2カ月連続で減少、実質賃金は1.6%減となりました。基本給など「きまって支給する給与」は、前年同月比0.1%減の259,921円と、15カ月連続で減少しています。

 総務省統計局の8月の家計調査では、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は284,646円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.6%減少、季節変動を加味しても実質0.5%の減少となりました。

 さらに「今般とりまとめた経済政策パッケージ」として、法人税減税の他に、「復興特別法人税の1年前倒しでの廃止について検討」を表明しました。

 10月2日の北海道新聞社説は「5兆円規模の巨額の経済対策を打ち出した。目に余るのは企業優遇だ。国民の暮らしは物価高や賃金下落、年金保険料などの負担増に脅かされ、増税で生活基盤さえ破壊されかねない」「経済対策の規模は、3%の消費税引き上げに伴う2014度の増収分5兆1千億円に匹敵する。これほど巨額の対策費が必要なら、増税自体に無理があったと言わざるを得ない」と述べています。

 低所得者対策として「所得の低い方々に対して1人1万円の給付を行います」といっていますが、国民の所得をどうやって捕捉するのか、1万円の給付をどうやって行うのでしょうか。

 巨額の経済対策を行わなければいけない、政府の借金がまた増える、低所得者には現金を配らなければいけない、そんなややこしいことをしなければいけないのなら、来年4月の消費税増税を中止したらいいのです。来年4月からなお消費税増税中止こそが最大の経済対策なのです。


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