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海外で戦争する国づくりに道を開く「集団的自衛権の容認」は許せません

(第641回 4月8日 )

 集団的自衛権の容認に前のめりになっている安倍政権は、4月1日、これまで武器輸出を全面禁止してきた「武器輸出三原則」を撤廃し、武器輸出を推進する「防衛装備移転三原則」を閣議決定しました。印象を和らげる目的でしょうか「武器輸出」を「防衛装備移転」との言い換えは、戦争中に日本軍の敗走を「転進」と発表した大本営の用語を思い起こすのではないでしょうか。

 4月7日の朝日新聞の世論調査の結果の報道と、しんぶん赤旗の集団的自衛権に関連した報道、いずれも1面トップ記事に注目しました。

 憲法とは「国をどういうふうに治め、国の仕事をどういうふうにやってゆくかということをきめた、いちばん根本になっている規則」(あたらしい憲法のはなし)です。政府の考え方ややり方の基本となるのが憲法ですが、安倍政権は、政府の解釈でこれを変えようとしています。

 安倍政権が集団的自衛権の行使容認の根拠としているのは、1959年12月の「砂川事件」の最高裁判決です。

 自民党の高村正彦副総裁は3月31日に開かれた首相直属機関「安全保障法制整備促進本部」の講演で、「最高裁判所は自衛権について、1959年の有名な砂川事件判決において、個別的とか集団的とか区別をしないで、自衛権については、国の平和と安全を維持し、国の存立を全うするための措置は当然とり得る」と述べました。(注1)

 しかし、法制局・内閣法制局の長官を務めた林修三氏が、旬刊誌『時の法令』の中で「わが憲法がいわゆる集団的自衛権を認めているかどうかという点も、なお未解決だね。個別的自衛権のあることは今度の判決ではっきりと認められたけれども」と述べていたことが明らかになりました。(注2)

 砂川判決直後、当時の岸信介首相が集団的自衛権について「憲法上は、日本は持っていない」(60年3月31日、参院予算委)と答弁しており、集団的自衛権の行使は憲法上許されないとの解釈が確立しているのです。時の政府が恣意的に解釈を変えれば済む問題ではありません。

 朝日新聞社の憲法に関する世論調査では、集団的自衛権について「行使できない立場を維持する」が、昨年調査の56%から63%に増え、「行使できるようにする」の29%を大きく上回りました。「行使できるようにする」と答えた人のうち、「解釈を変更するだけでよい」と答えた人は40%で、集団的自衛権の行使には大半の人が「憲法を変えなければならない」と回答しています。また、安倍内閣支持層や自民支持層でも「行使できない立場を維持する」が多数を占めていました。(注3)

 海外で戦争する国づくりに道を開く、集団的自衛権の容認は許せません。

 注1:3月31日高村正彦副総裁の「安全保障法制整備促進本部」での発言
https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/national_security_act/124234.html

注2:朝日新聞の世論調査の記事
http://www.asahi.com/articles/ASG3L72L6G3LUZPS007.html?iref=comtop_pickup_04

注3:しんぶん赤旗の林氏の発言に関する記事
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-07/2014040701_01_1.html


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