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救急外来受診の有料化で問題は解決するのでしょうか?
(第305回 1月26日 )

 1月16日のマスコミ各紙は15日に開催された、中医協(中央社会保険医療協議会)総会で、「病院勤務医の負担軽減策の一環として、軽症でありながら救急病院を受診した患者からの特別料金徴収を検討することなどを盛り込んだ、2010年度の診療報酬改定の骨子をまとめた」(「読売」)と報じました。

 確かに、夜間や休日などに「いつもの注射をしてほしい」とか、休日当番の日に「いつもの薬をだしてほしい」と要望する方がいるのは事実です。特に急を要さないと思われる場合は断わりますが、クレームやトラブルを避けるための対応を余儀なくされることもあるのではないでしょうか。

 しかし、「厚労省は総会で、救急外来で虫さされや指のトゲの治療を求めたケースを例示した」とされますが、アレルギー体質の方の場合「虫さされ」程度であっても、時間が経ってから症状が悪化することもありますから、医師の診療が不要であるとは断言できません。

 また、「特別料金徴収は、全国221か所の救命救急センターの救急外来を訪れた患者のうち、診断前に医師から軽症だと判断された人を対象とする方針を示した。保険診療の自己負担とは別に費用がかかることを説明し、それを受け入れて受診した場合に徴収することにしている」そうです。

 しかし、特別料金のいらない、救急救命センター以外の医療機関の負担が増えたり、かえって様々な問題がおきる可能性が高いと思います。

 例えば小児の救急受診などの場合、かつては、子育ては祖父や祖母など高齢者に教えられながら、発熱時の対応など「救急の知識」が得られたものが、核家族化が進行する中で親が不安にかられて受診する場合が多いと思います。そうだとするなら、救急時の対応について知識を普及するなどの取り組みを広げるなど、行政や医療機関がそういった知識を普及することが求められているのではないでしょうか。

 医療生協の重視する「セルフケア」「セルフコントロール」を、地域や職場で広げていく中で、この問題を解決すべきだと思います。

 (この項、続く)


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