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香川医療生活協同組合

第339回 健康シリーズ「腰痛」(その4)

(第339回 6月4日 )

 協同組合 香川合同計算センター 速報に「社長の健康シリーズ」を連載しています。2010年5月号に掲載したものを編集しました。

 第326回(4月9日)で、「腰痛」の原因が特定できるのは15%程度で、85%は特定できないと書きました。今回は、整形外科以外の病気にどんなものがあるのか、という話です。

 内臓の中で、腰の近くにある臓器の病気では当然腰痛がでる事があります。

 大腸の病気の中で、大腸の壁の一部が薄くなり外側に飛び出たものを憩室(けいしつ)と呼びますが、ここに炎症が起きる病気が「大腸憩室炎」です。通常おなかの痛みや熱が出ますが、腰痛を訴えることもしばしばあります。

 急性虫垂炎(いわゆる「もうちょう」)では、通常みぞおちのあたりから痛みが始まり、時間が経つに連れ徐々に症状が下に下がり、おへそのあたりから右下腹部に移動します。時に、虫垂が後ろ側(背中側)に存在することがあり、右の腰痛を訴えることもあります。

 膵臓の病気、慢性膵炎や膵臓がんの場合も、腹痛だけでなく背部痛、腰痛を訴えることもあります。

 女性では、卵巣や子宮の病気の時に腰痛が出現する事もあります。

 泌尿器科の病気、尿管結石の場合もしばしば背中の痛みや腰痛を訴える事もあります。

 意外に思うかも知れませんが、「うつ病」の時にも腰痛が出現することもあります。以前、心の健康について触れた時に前回、慢性のストレスが「身体症状化」すると書きました。うつ病の患者さんの多くは、全身のだるさ、頭が重い、食欲がないなどの症状のほか、腰が痛い、腰が重い、などと訴えることも多いのです。整形外科でどこにも異常がない、内科などでも異常がない、という場合には心の病気を疑うことも必要です。


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