あなたにもあげたい 笑顔 健康

TOPヘ

香川医療生活協同組合

フエ市の医療生協セミナーの報告です(その5)

(第358回 8月24日 )

 7月16日にフエ市で開催された、「医療生協セミナー」の報告の5回目です。盛岡医療生協・遠藤副理事長の報告の要旨(下)を紹介します。

報告しているのは遠藤さんです
報告しているのは遠藤さんです

 私たちはこうした活動を進めるために、支部の中で10人ほどのリーダーを選出し、支部運営委員会をつくっています。毎月話し合いをもち、目的に沿った計画を検討し、地域の組合員とともに活動するわけです。

 30年ほど前にできた私たちの支部は「脳卒中で倒れる人をなくそう」という計画を立てたのです。高血圧の原因とされる塩分の取りすぎを防ぐためには「尿の塩分チェック」が欠かせません。私たちは、各家庭に尿を採取し必要量を蓄えるための容器を配りました。そして、その容器を回収し、塩分摂取量を計測し、その結果を1人1人に伝えていったのです。この取り組みによって、健康への関心が飛躍的に高まりました。そして、取り組みを始めて5年後、はっきりとその効果が表れてきました。組合員の塩分摂取量がへり、適量な濃度へと変化したのです。

 私たちの支部では次のような活動もしています。

熱心に通訳の報告を聞くセミナー参加者
熱心に通訳の報告を聞くセミナー参加者

 高齢者を中心とした昼食会です。毎月1回、地域のお年寄りに集まってもらい、組合員による手づくりの昼食を提供します。昼食を食べながら、近況を語り合い、交流を深め、暮らしが孤立しないように支え合える人間関係をつくっていくのです。この取り組みはすでに10年続いています。

 家庭訪問と対話の活動もおこなっています。高齢者の悩みや心配事などを聞き、医療生協でできるサポートを提案するのです。とても重要な活動だと思っています。

 3つ目は「たまり場」づくりです。私たちの支部ではお金を出し合って1軒の家を買いました。「みんなの家」という名前をつけました。いつでも誰でも立ち寄れる。「みんなの家」に行けば「みんなに会える」。私たちは「みんなの家」に3つの目標を掲げています。(1)健康で長生きすること(2)元気で楽しく生きること(3)困ったときは声を掛け合うこと。これは「みんなの家」の「家訓(家の教え)」でもあります。大きな字で書かれ、みんなが見えるところに張り出されています。

 「いつでも、どこでも、だれでも」安心して受けられる医療や介護事業を1人1人の力を結集してつくり上げていくこと、また、健康の主体者は住民自身であることを深く自覚し、協力・協同の力を発揮して公衆衛生の改善や地域の健康づくりを進めていくこと。このテーマは普遍的なものではないかと思います。

 さらに言えば「健やかに生まれ、健やかに生き、健やかに老い、健やかな死を」という一生を全うできる、つまり、人間としての幸福の原点を追求し続ける、私は、これが医療生協の原点であり、存在価値だと思っています。私の話が皆様の参考になれば幸いです。

 (この項、続く)


関連項目へ 矢印 “飛来峰”バックナンバー

TOPへ 香川医療生活協同組合
フッターのライン