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香川医療生活協同組合

フエ市の医療生協セミナー(10)の質疑応答です

(第367回 9月24日 )

 7月16日にフエ市で開催された「医療生協セミナー」報告、9月17日付(第365回)の続きです。

 次の質問は「医療保険制度について、もう一度説明を」というものです。

ベトナム最後の王朝グエン朝は都をフエにおきました。小雨だったので、観光客は傘をさしています。すぐに止みましたが。
ベトナム最後の王朝グエン朝は都をフエにおきました。小雨だったので、観光客は傘をさしています。すぐに止みましたが。

 「日本では、国や自治体と本人が、企業に雇われている場合は企業もお金を出しあって、保険制度を作っています。保険料を支払った上で、利用する時には1割から3割程度のお金を支払うことになります。そして、医療機関は自由に選ぶ事が出来ます。(国民健康保険証を見せて)これが保険証です。収入に応じた保険料を自治体に支払っています。全員が病気になる訳ではないのでそのお金は保険組合にストックされます。病気になった人はこのカードを使います。その時の負担が、かかった医療費の3割を自分で負担し、残りの7割がストックされたお金から医療機関に支払われます。これがあれば、国立病院でも私立病院でも、生協の病院でも、どこでも同じように医療が受けられます。これが日本の『国民皆保険制度』です」。

 「生協の病院は税金を払っているのか。政府の援助はないのか」という質問がありました。

 「生協の収入に応じて所定の税金を払っています。協同組合に対する税制上の優遇措置が少しはありますが、日常的な収益に対する税金は他の医療機関と同じです。また、医療機関に対する政府の援助制度はありますが、生協だけに適応する特別な制度ではなく、利用できる場合も、他の医療機関と同じ条件です」

「鼎の軽重を問う」の「鼎(かなえ)」は、通常3本脚の釜を意味します。観光ガイドブックに載っているのとは違いますが、こんな感じということで(傘をさしたままでは写真を取れませんでした)
「鼎の軽重を問う」の「鼎(かなえ)」は、通常3本脚の釜を意味します。観光ガイドブックに載っているのとは違いますが、こんな感じということで(傘をさしたままでは写真を取れませんでした)

 次の質問は「ベトナムの医療システムは4つあります。まず、フエ中央病院のような中央の病院、その下に省の病院、郡の病院、そして、村には診療所があります。病気になるとまず村の診療所にかかります。保険をもっていても2割程度の負担があります。戦争に貢献した人は無料、年金生活は5%などの制度もあります。日本ではどういう制度があるでしょうか。医師や看護師は、ベトナムでは政府から給料をもらいます。タイには医療生協はありますか?ベトナムで作れるかどうかについて聞きたい」でした。

 「医療の負担率は、基本的に3割で、高齢者は1割、収入の多い高齢者は3割になります。身体障害者や乳幼児の無料制度などがあり、自治体が独自に負担を減らす仕組みをもっている場合もあります。タイには協同組合の病院はありますが、おつきあいがないので詳しいことは分かりません。アジアには、スリランカやインドなど、日本とは少し違う形態ですが、協同組合の病院として発展しています」

 ※注:質問の中の「保険を持っていても」という表現は注釈が必要です。ベトナムは社会主義国なので医療費は無料だと思っている人が多いのですが、そうではありません。中国も同様です。因みに、キューバは医療費が無料です。9月16日に米商務省国勢調査局が公表したデータによれば、米国では5000万人が医療保険に入っていません。日本の「国民皆保険制度」は世界に誇るべき制度なのです(保険料が高すぎるなど、問題は多いのですが)

(続く)


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