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香川医療生活協同組合

新しい高齢者医療制度の「中間とりまとめ」に対する、医療福祉生協連理事会の意見を紹介します。

(第372回 10月12日 )

 9月17日に開催された、日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)の第2回理事会で、「高齢者のための新たな医療制度等について(中間とりまとめ)に対する意見」を採択しましたので、紹介します。

 厚生労働省は7月23日、高齢者医療制度改革会議に2013年度4月から実施を予定している高齢者医療制度について「中間とりまとめ案」を示しました。同省は、この案をもとに、地方で公聴会を開催し、8月20日に同会議として「高齢者のための新たな医療制度等について(中間とりまとめ)」(以下中間とりまとめと略す)を決め、年末までに最終報告を作成し、来年の通常国会に法案を提出する予定です。日本医療福祉生活協同組合連合会(以下、医療福祉生協連)は、この中間とりまとめに対し次のような態度を表明します。

 1.日本生協連医療部会の主張

 日本生協連医療部会は2010年2月の下期単協代表者会議で「後期高齢者医療制度の廃止と高齢者医療制度のあり方についての提言」をまとめました。

 そこでは、(1)後期高齢者医療制度を廃止し、老人保健制度に戻します(2)老人保健制度の当面する問題点を改善します(3)老人保健制度をさらに改善します(4)後期高齢者医療制度廃止後の老人保健制度復活・改善、新しい高齢者の医療制度の論議は内閣のもとに議論の場を設け、関係者の意見・要望をもとに国民的合意をつくるよう求めます。という4つの提言を行ないました。

 2.中間とりまとめについて

 今回の中間とりまとめは、後期高齢医療制度に対する批判を受けとめて、加入する制度を年齢で区分することをなくす、サラリーマンとその被扶養者は被用者保険に戻す、保険者間の財政力による応能負担で支え合う、高額療養費上限を見直すなど評価すべき点もあります。

 しかし、ここで示された改革の方向は、後期高齢者医療制度の考え方の枠組み(根本問題)を残したまま、制度の対象年齢を65歳に引き下げ、国保の運営の在り方や仕組み、運営主体を大きく変更し、最終的には厚生労働大臣の示す「6原則」の柱である「地域保険の一元的運用」という国保制度の大改革に向かおうとするものです。大企業の保険料負担には手をつけず、しわ寄せを国保に押し付け、社会保障としての国保の存在を揺るがすものとなっています。また、財政・費用負担についても公平に負担する仕組みを設けるとしており、高齢者の医療費が別会計という要の部分を残したことで、医療費の高低が保険料の高低に直結し、医療給付の抑制が誘導されるものとなっています。

 3.中間とりまとめに対する医療福祉生協連の態度

 今回の中間とりまとめは提言内容に照らし、私たちの願いに応えていないものと考えます。この間、私たちは「即時廃止、老人保健制度に戻すこと」を願って提言を出し、活動を行ってきました。今回の中間とりまとめでは一定の修正がされたとはいえ、4年間は現行制度の枠組みが維持されることと、高齢者の医療費が別会計とされて医療給付に関する財政責任が高齢者に転嫁される仕組みが残されており、要求に応えていないものと評価せざるを得ません。

 私たちは、社会保障費の増額と、高齢者が健康や医療の心配なく過ごせる社会を願い、日本生協連医療部会の提言を引き継ぎ、実現するよう今後も活動を行うとともに、その内容に一致できる団体・個人と広く手をつなぎ、活動を広めて行きたいと考えます。


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