高松協同病院では、秋に患者様の運動会を行うことが恒例になっています
新型コロナの感染流行前には職員が患者さまの間に入り、転倒しないように支えながらも、ついめっちゃ綱を引きまくる綱引きや、大きな口を開けて取るパン食い競争をしていました。
借り物競争では、「1番優しい看護師さんを連れて来る」というお題が大盛り上がりしていました。
しかし、飛沫を避けるためそれらは昨年から泣く泣く中止にしています。
今年の運動会は、まず、選手宣誓から始まりました。
脳疾患の後遺症から上手く喋る事が出来ない患者さまが、この日のために言語訓練を行い正々堂々と選手宣誓をされました。
最初の競技は玉入れです。
普段は疾患により可動域制限と疼痛があり肩が挙上できない患者さまですが、この日は夢中で玉を何個も持ち、高く投げ入れる事が出来ていました。
握力が弱い患者さまはマジックハンドを使って玉を投げます。
次は、景品取り競争です。点滴台に吊るした景品を勢いよくひっぱりゴールを目指します。
最後は、チーム対抗リレーです。
リレーは毎年、色々なドラマがあります。
歩けない車椅子の方も、長下肢(※)という装具をつけてリハビリスタッフの介助でタスキをかけて立位で走ります。
動作が緩慢で歩行スピードが遅い患者さまも、この日は普段よりかなり早く歩行することができていました。
自分の失った機能を嘆いていた方が、今自分に残された機能を最大限に発揮し、懸命に走る姿には心を打たれます。
一歩一歩進む姿に拍手喝采がおこります。
表彰式は病棟最高齢の96歳の方が代表で賞状を受けとりました。
感染に留意しながら今年も怪我なく無事に運動会ができ、患者さまの笑顔をみることができました。
いろいろな事が制限される時代ですが、これからも新しい楽しさを患者さまと見つけていきたいと思います。
(写真の掲載は患者様の許可を得ています)