「『できた!』に全員の笑顔」  訪問看護ステーションひまわり

昨今、印鑑の廃止を謳われている中で、当ステーションも例外になくIT化の流れに乗ってタブレットを導入しました。
訪問終了時に利用者様若しくはご家族にサインをして頂くのですが、高齢の方は最初は渋々ながらタブレットにサインをしていましたが、徐々に上手くなっていくことでサインすることを楽しみにされる姿も多くなりました。

そんな中、難病で寝たきり、呼吸器装着状態のAさんは、コミュニケーションが上手くとれず、ヘルパーさんをはじめ、ご家族もYES/NOでの会話しかできない現状にありました。

皆さんは知っていますか?子供のころ流行った「こっくりさん」。
この手法を試しに実践してみました。
ご家族又は訪問看護師が手を添えて指一本をタブレットに当てると、ゆっくりと自分の意思で動き出したのです。
そしてカタカナで「〇〇〇」とサインされました。

これは本人にとってもご家族にとってもうれしいことです。
徐々にできることが減っていき、自分の気持ちを伝える術がなく、上手く伝えられないもどかしい毎日の中で、1つ「できた」という明るい陽射しが差し込んだのです。
その瞬間はその場にいた全員が驚き、笑顔になりました。

これを手がかりに、少しずつタブレットに触れ、書き、思いを伝えることができるようになればと願い日々、練習を続けています。