「口腔ケアで『おいしく食べられるようになった』」 高松協同病院

Aさんは、自由な生活の中で歯周病と齲歯で歯は数本だけになっても、一度も歯科に通うこともことも義歯も作ることなく過ごされていた方です。

急性期病院から転医してこられた後も、「歯が無いのに磨かなくてええやろ」とおっしゃられていましたが、舌上には数㎜の舌苔が付着しており、舌ブラシもなかなか効果を示しませんでした。

回復期病棟では、巡回歯科での診察、専属の歯科衛生士のケア方法指導のもとスタッフと1日3回口腔ケアを指導し、仕上げ磨きを繰り返すことにより、1か月後には舌苔は取れ スポンジブラシを使用し自分ですることも習慣づきました。

口腔ケア介入前

口腔ケア介入後

 

 

 

 

 

 

 

習慣化した理由は「爽快感がある」はもちろん「食事の味が分かり美味しく食べられるようになった」との事でした。

SDH(健康の社会的決定要因)に課題がある方の口腔崩壊が現在問題になっていますが、回復期に来られる状態になった患者様でも、口腔内の汚染がひどく、口臭があったり、義歯を外して磨いていない患者様など、数週間の入院で歯周病になりかかっている患者様も少なくありません。

Aさんを通して急性期の患者様はもちろん、慢性期で自立してきた患者様の口腔ケアもチェックする必要がある事に改めて気づかされました。

コロナ禍のマスクの下にも「看護の目」を。今後も回復期の看護師としてお口の健康について警鐘を鳴らしたいと感じています。

(写真の掲載は患者様の許可を得ています)