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「患者の生きがいをサポート」 高松平和病院 緩和ケア日記

緩和ケア病棟では、入院時面談を行い、患者様にとっての「生きがい」や「大切にしていること」、趣味や習慣などをお伺いしています。
その上で、病院でも出来る事は無いか、叶えられることはないかを考え、不可能と思われることでもどこまで寄り添ったケアができるかチームで話し合います。

毎日、大相撲や時代劇をかけたり、好きな歌手のCDをかけたり、1日1回コーヒータイムを楽しんだり、家族同様のペットの面会があったり、ウエディングドレス姿や成人式の振り袖を着たお孫さんの面会があったりと患者様のご要望を叶えるための努力をしています。

私の心に残っている、ある患者様のエピソードをお話ししたいと思います。

月半ばの入院当初より「私は60年もゴールドです。5月の免許更新は必ず行きます」と強く決意表明をされていた患者様がおられました。

少しずつ病状の進行がありトイレへの移動ができなくなりポータブルトイレの利用を余儀なくされ、日常生活動作の低下がみられていました。
更新はできても車には乗れないのではないかと家族の考えもありましたが、本人の思いは強いものでした。

状態悪化がみられた場合救急車で帰ってくることも想定し、60年間守り続けたゴールド免許を継続することが患者様の「生きがい」になっているのだなとチームで考え、叶える努力をしました。

介護タクシーでの移動が理想的だろうと説得しましたが本人の愛車で行きたいとの思いが強く、ご主人が運転される本人の車で免許更新に行くことになりました。

乗車、降車の介助のもと、無事、当日2時間(11月に学科試験は合格済み)の外出で免許更新を叶えることができ、本人も素敵な笑顔で「ありがとう」と、とても満足気でした。

患者さまの笑顔が私達の励みになっています。

今後も患者様、御家族様が少しでも笑顔で過ごせ、穏やかに患者様らしく過せるように、病棟スタッフ全員で患者様の立場に立った看護を心掛けケアを提供させて頂きます。