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「一人では支援できなかったこと」  訪問看護ステーションひまわり

2023年8月より訪問看護が2回/週で介入しているAさん。

初回訪問時には、自宅アパート内はゴミで足の踏み場がなく、こばえが大量に発生しており、室内に排泄物も床に付着しており、悪臭が酷い状態でした。
片付けをしたくても捨ててもよいものは殆どない、自分でするからいいとAさん。

足元のゴミで転倒してはいけないからと根気よく説明し、半年かけて少しずつ床が見えるまで片付き、定期的にゴミ捨て場にゴミ袋を捨てるようになりましたが、トイレだけは汚いままでした。
ヘルパー介入時にも買い物依頼だけで掃除を断り続けていたので、トイレの中を見るのも怖い状態でした。

ある時、市の福祉課より近隣より悪臭苦情が入ったとケアマネージャーに連絡が入りました。
掃除をすることはケアマネジャーが説得し、了解を得てヘルパーさんに事情を話すと「やりましょう、掃除!」と心強い返答がありました。
ヘルパーさん一人では大変だと思い、ヘルパー訪問時に一緒に行き掃除をすることにしました。

長年の汚れがあり、時間はかかりましたが、本人は「実は言えなかった、こんな汚い事頼めないから申し訳なくて。ありがとう」と感謝の言葉が聞かれました。

それからは、定期的にヘルパー訪問時に掃除をさせてくれるようになりました。
今まで人に頼ることをしない性格だったAさんが少し心を開きかけている様子が見られ嬉しくて、ヘルパーさんに話すと「私一人では出来なかったわ」とヘルパーさんも私と同じ事を思っていた事を知って嬉しくなりました。
皆で支援していた事を改めて感じました。
これが私の皆で「きらり」を感じたエピソードです。

* 利用者様より写真の掲載の許可を得ています