高松平和病院の緩和ケア病棟では、大切な方を看取られたご家族へ、スタッフが心を込めて書いたお手紙を送っています。
先日、あるご家族からお返事をいただきました。
封を切ると、そこには心温まる感謝の言葉とともに、今も胸に深く残る「迷い」の気持ちが綴られていました。
「もっとはやく連れてきてあげたらよかった」という言葉
その患者様は、ご自宅での療養に限界を迎え、当院へ入院されました。懸命に介護を続けてこられたご家族は、入院して痛みが和らぎ穏やかな表情を取り戻したご本人の姿を見て、当時こうおっしゃっていました。
「こんなに穏やかに過ごすことができたなら、もっと早くここへ連れてあげればよかった」
そして、お手紙にはお別れから月日が流れた今でも「もっと自分にできたことがあったのではないか」という、やり場のない後悔が切々と記されていました。
私たちは、その言葉の奥にある、ご家族の愛情を感じました。
後悔は、それだけ一生懸命に向き合ってこられた証だと思うからです。
孤独にさせない「グリーフケア」
私たち病棟スタッフは、大切な方を亡くされたあとの心の痛み(グリーフ)に寄り添うことも、緩和ケア病棟の重要な役割だと考えています。
退院後、直接お会いする機会は少なくなりますが、お手紙を通じて「今のご家族の様子」を知ることができるのは私たちスタッフにとって大きな励みとなっております。
また改めて、入院中のケアだけでなく、その後のご家族の人生にも想いを馳せることの大切さを学びました。
いただいた言葉を胸に、私たちはこれからも「ここに来てよかった」と少しでも思っていただけるような、看護を続けてまいります。
そして、 いつか、その後悔が「あの日々を共に過ごせてよかった」という穏やかな記憶に変わる日が来る事を心より願っています。

