「大事な1票 自らの手で」 高松平和病院 

訪問診療に同行している看護師からの投稿です

在宅療養をされているA様。
要介護5ですが、車椅子移乗は軽介助ででき、調子の良いときは家の外を歩いたりします。

このコロナ禍で、行きたいところにも行けない日々でしたが、ある日「選挙に行きたい」と奥様に言いました。
奥様は驚きながらも、どうしたらその思いを叶えられるのかと、ケアマネなどに相談したそうです。

いろいろ調べた結果、郵送で不在者投票ができることがわかりました。
その対象者の中に「要介護5の方」とありました。
「これだっ!」となった奥様はさっそく手続きをすすめました。

どうやら郵便で投票するには、郵便で投票できることを証明するために書類に自筆でのサインが必要のようです。
そのため夫婦で毎日名前を書く特訓をしました。
A様はペンは持てますが、狙ったところにペン先を持っていくことができません。
そこで、A様がペンをすすませたら、奥様はペン先を移動させるという夫婦の共同作業で、名前を書いたそうです。

奥様は、何かしたいと言わない夫の希望をただただ叶えたいという気持ちでしたが、私はその姿に、1票を大切にする姿勢を学ばせていただきました。

要介護5で自宅で生活している方も、政治に参加しようと投票しています。
ADLに問題ない私たちが選挙に行かない理由はないですね。
皆さんも自分の思いをぶつけに投票に行ってみましょう!