訪問看護の利用者の中には、対応が難しい利用者様がおられます。
ガン末期で独居のAさんは、これまでも介護サービス事業所からの辞退が多く、事業所変更を繰り返していました。
訪問する方に対して暴言や暴力行為があり、ハラスメント事例として市や包括にケアマネが相談し、何度も説明してもらいましたが同様に暴言、入室拒否などを繰り返していました。
ケアマネさんも困り果て、受診困難を理由に訪問看護が導入されることになりました。
訪問時もご自分のルールがあり、衣類交換や清潔ケアも受け入れていただけなかったり、訪問の度に他事業所のクレームを根気強く傾聴する必要がありました。
しかし信頼関係が築けるとこちらの話にも耳を傾けてくれるようになり、訪問診療による安心感は大きく、かかりつけ薬剤師への信頼度も高い状態でした。
ヘルパーさんとの情報交換で、一方的に怒鳴りつける背景に「さみしさ」「不安」があるのではないか、ゆっくりと話を聞く時間が必要ということを共有しました。
その後も傾聴姿勢を継続し、ケアを受け入れて最後には「ありがとう」「また頼んます」と言って下さるまでになりました。
どんな方も「ほっておけない精神」「最後の砦として」という気持ちを持ち、あきらめずに真の要求は何かを考えて関わり続ける重要性を教えて下さったA様でした。