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「病棟での小さな結婚式」 高松協同病院

晩秋、A氏は脳出血後のリハビリのため入院し、その時付き添いで来ていたのがB氏でした。

入院の対応をしていたスタッフが、B氏の様子がおかしいことに気が付きました。
B氏は数日前から左上下肢が動きにくい症状はありましたが、受診はしていませんでした。
その時の血圧はかなりの高値で、医師に診察を依頼したところB氏にも脳出血の疑いがありそのまま総合病院へ紹介入院となりました。

年末、治療を終えたB氏がリハビリのため入院してきました。
B氏の入院後は、よく二人で寄り添って話していました。
年明け今度はA氏が急変し治療のため転医となりましたが、数週間の治療を終え帰ってくることができました。

入院前、二人は事実婚で入籍はされていませんでしたが、大病をしたことでお互いの大切さに気づき、入籍することを決めたと伝えられました。

スタッフで何かお祝いがしたいと、サプライズで人前式風結婚セレモニーの準備をはじめました。
二人が並んで歩けるように歩行リハビリも強化しました。

当日それぞれの別に案内され、新郎は蝶ネクタイに胸にお花を、新婦はベールをつけてブーケを持って準備をしました。
そしておふたりの左手薬指には赤いリボンが結ばれました。


セラピストの司会の下、神父役の主治医が待つ食堂のセンターに、介添え人のセラピストの介助を受けながらもおふたりともしっかり杖をついて入場されました。
主治医が誓いの言葉を読み上げ、おふたりが永遠の愛を宣言した後、職員手作りのカードにそれぞれ署名をされました。

続いてウエディングケーキが運ばれ、ケーキ入刀し互いに食べさせあってとびっきりの笑顔を見せてくれました。

食堂に集まった患者様やスタッフの「おめでとう」の声や拍手に新婦はずっと涙ぐんでおり、「びっくりしたけどうれしかった」と喜んでいただきました。

準備をしてきたスタッフの目にも、涙が光っていました。

まだまだリハビリの途中ですが、お二人で手を取り合って今後も頑張っていただきたいと思います。
本当におめでとうございました。

(写真の掲載はお二人の許可を得ています)