●みんなの健康2002年3月号
生協みき診療所副所長
小児科医 平野明子

健康な皮膚は細菌やカビ、化学物質などの異物の外からの侵入を防ぐ働きと、皮膚の潤いを保つ働きがあります。これを皮膚のバリア機能といいます。ところがアトピー性皮膚炎のひとの皮膚はこのバリア機能が低下しているのがもう一つの特徴です。そのため細菌やカビ、アレルギー反応を起こす物質が容易に皮膚に浸入し、炎症を起こしかゆみがでてきます。潤いがなくなると乾燥肌になり、これも痒みの原因になります。かくだけでも炎症は悪くなり、ますますかゆくなります。この悪循環を絶つためにスキンケアが必要になります。

スキンケアの実際
一,入浴
 汗、泥、ホコリ、細菌やカビなどを洗い流し、皮膚を清潔にします。冬は最低一回、皮膚の状態によっては二回入浴するとよいと言う人もいます。汗をたくさんかく夏はシャワーを頻回浴びましょう。熱い湯、水の勢いの強いシャワー、ブラシやナイロンタオルの様な硬い物で強くこすることは皮膚を刺激し、かゆみをおこすので禁物です。刺激の少ない石鹸・シャンプーで優しく、しかもていねいに洗いましょう。すすぎもていねいに、石鹸成分が皮膚に残らないようにしましょう。特にシャンプーは顔や耳の後ろ、首などに残りやすいので要注意です。体を拭く時も、軟らかいタオルで優しく水分をとりましょう。

二,保湿剤の塗布
 入浴後、低下している皮膚のバリア機能を補強するために、保湿剤をぬります。清潔な皮膚にぬることが大切です。しっとりとしたワセリン、クリームタイプ、ローションタイプがあります。症状が悪化しかゆみがつよくなったらステロイド軟膏などを併用して一時的に炎症を抑えることが必要です。

三,衣類
 肌着類は綿素材のもので、締め付けるようなデザインのものは避け、余裕のあるものにし、新しい物は一度水洗いをしましょう。柔軟剤は不可です。


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