香川医療生協本部
〒760-0073 高松市栗林町1-3-24

20160913-5訪問看護ステーションみきでは、
利用者様・ご家族様にご協力頂き、実習生や研修生の受け入れを行っています。

平成28年7月19日(木)、香川大学医学部看護学科と交換留学をしているチェンマイの大学の看護学生が来日しました。その学生さんは、とても可愛らしく、笑顔が素敵な女性です。チェンマイの大学では、午前中は授業、午後は実習・記録というハードスケジュールをこなしているそうです。

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利用者Aさん宅に同大学の教官・実習生も同行し、訪問させていただきました。Aさんは、気管切開をして人工呼吸器をつけていますが、発声ができます。人との交流を大切にされ、地域のプロジェクトに参加するなど、活き活きとした在宅生活を送られています。Aさんの在宅生活の現状や訪問看護の援助について、教官や実習生から説明後、人工呼吸器の確認、ベッド上での洗髪、気管内吸引の実際を見学してもらいました。Aさんとチェンマイの学生さんとの会話(英語)の中で、日本のアニメが好きなことがわかり、とても親近感がわきました。

日本の在宅ケアについて学んだことをチェンマイで伝えてくれるとうれしく思います。来年は、少しでも英語で説明できるようになりたいと思っています。

所長 山下

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お盆だから・・・

「今年もお盆に墓参りに行きたいんや。どう?」と7月中旬に相談がありました。
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昨年はリハビリスタッフからの誘いで行ったお墓参りが今年は本人・家族からの希望によるお墓参りとなりました。

お病気になる前はお墓の掃除が日課のひとつでもあり、今回行った時も「毎日来れずにすみません。」と謝られていた姿が印象的でした。お墓までは急な坂や段差など障害物が多く、簡単に行ける環境ではありません。日本独自の文化の大切さやそれを大事にされる利用者様の気持ちに寄り添いながらリハビリとして援助をしていければと思います。20160913-3

作業療法士 村川

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寄り添う訪問看護を

「ちゃんと忘れずしょうるで。」

いつも変わらず返事のAさん。そんなAさんの返事が少しずつ変わってきたこの頃。私たち訪問看護の関わりを少しお伝えできたらと思います。

糖尿病治療を必要としているAさん。インスリン自己注射の減っている薬量も、使用済み針数も、注射回数の印もちぐはぐ。それでもAさんは忘れずにしていると答えます。私たちもついつい怒ってしまいそうになってしまいます。
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今一度、Aさんとの関わり方を考え直すことにしました。Aさんが毎日毎食インスリン注射と向き合わなければならない気持ちに寄り添い、出来ていないことばかりを指摘するのではなく、まずは、今、Aさんががんばれていることをねぎらうようにしていきました。私たちとの信頼関係を築いていくことにしたのです。そして、今までは関わりを持てずにいたご家族にも現状を説明し、Aさんの頑張りを伝え、協力を得られるようにしていきました。

すると、Aさんは、「この日は注射できんかった。」と、言ってくれるようになり、血糖ノートには血糖値を上げたと思われる食品を記入するようになりました。Aさんの私たちに素直に伝えようという気持ちと、糖尿病に対する心の変化がみられてきているように思い、私たち看護の関わり方のあり方を考えさせられました。
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私たちは様々な方のもとへ訪問させていただいています。

その人がその人らしく〞在宅ならではの訪問看護を提供できたらと思っています。みなさんとの出会いを大切にし、心に寄り添う訪問看護をこれからも続けていきたいと、スタッフ一同思っています。

看護師 畠山

 

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訪問看護ステーションみき 藤井幸代

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訪問看護師として初めての看取りを経験しました。心温まる看取りでした。

Aさんは90歳代の女性で、息子さんとの2人暮らしです。がんと診断されましたが、根っからの病院嫌いのため治療を拒否され、家族も治療をあきらめていました。

9か月たったころからがんが肺に転移し、食事が摂れなくなっていました。この頃はまだ介助でトイレ歩行や入浴ができていましたが、だんだん動けなくなっていました。5人の子どもで分担して介護が始まり、訪問看護は週1回でした。

 

亡くなられる2週間前に家族からSOSの電話がありました。「夜中1時間おきにトイレに行きたいと言って困った。おしっこの管を入れてほしい。先生に相談してほしい。」という内容でした。訪問すると朝方におむつに排尿があったとのことで、Aさんは尿を気にして眠れず、家族も疲れていました。
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この日から毎日訪問に切り替え、状態観察と清潔ケア、家族への支援を行いました。看護師が行ったおむつ交換を見た家族が「おむつのつけ方がきれい」と話されたそうです。

初めて介護される家族にとって、介護のコツを伝えることが大事だと教わりました。「在宅で看取る」ことになり、12日前に看取りのパンフレットを使って説明をしました。

病状は進行し、嘔吐、下痢、体中の痛み、呼吸困難などが強くなり、血圧測定が難しくなりましたが意識はほとんど最後までありました。

家族はずっとAさんに寄り添い、唇が渇けば水でうるおし、背中が痛い時は背中に手を入れて擦り続けました。亡くなられる2日前に、「ご家族の方へ、旅立ちまでの身体の変化と対処法」を使って最期の準備を説明しました。この時には心の準備ができていました。

日付が変わろうとする頃、「先ほど呼吸が止まりました」と連絡がありました。訪問した時には、Aさんは胸に手を重ね数珠をかけていました。最期は家族に見守られ、苦しむことなく静かに息を引き取られたそうです。
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医師の診察を終え、「一緒にお母さんの体をきれいにしませんか」と声をかけ、兄弟全員でエンゼルケアを行いました。長い間お風呂に入れなかったのでシャンプーをしました。家族が見つめる中でのシャンプーはちょっと緊張しましたが、とても喜んでいただけました。

ドライヤーをお願いすると息子さんが櫛を片手にブローして下さいました。娘さん達とからだの清拭をし、更衣には息子さんも参加されました。「お母さんのおかげで私たちは生き延びられたのよ」と、小さかった頃の思い出を話してくださいました。Aさんが語りきれないほどの苦労をされた分だけ、お子さんたちと絆が強いのだと感じました。

顔のマッサージをしました。マッサージクリームがなかったのですが、Aさんお気に入りのアロエクリームで丁寧に行い、最後にお化粧をお願いしました。娘さんが「お母さんは持っていないから私のでしてあげる」とお化粧をして下さいました。

「お母さんの肌はほんとに綺麗ね、私たちより皺が少ないわ。卵の殻についた白身を顔につけて手入れしていたのを思い出すわ。」と話しながらファンデーションを乗せると、優しい表情が現れました。思わず「本当にきれい!」と声を揃えました。

 

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毎日訪問を始めて2週間の短いかかわりでしたが、心が温まる看取りを体験させていただきました。「在宅での看取り」を希望しても条件がなければ難しいのが現状ですが、訪問看護師として、困ったことの解決や苦痛の緩和に少しはお役に立てたのではないかと感じています。

「住み慣れているから自宅が好きなんですか?家族の笑い声が聞こえるから好きなんです」

これは私たちが大事にしている言葉です。
人生の最期を、家族のぬくもりが感じられる自宅で過ごせるよう、お手伝いしたいと思っています。
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