外科 吉川 善人
(増え続ける乳癌)
日本における女性乳癌死亡数は、この約半世紀で約6倍増加し、罹患率、死亡率ともに増加傾向を続けています。女性にとっては肺癌・大腸癌・胃癌と合わせて「四大重要癌」のひとつと言えるでしょう。
(治せる乳癌)
他の肺癌などと比較して乳癌で死亡する人の割合(死亡率)が、乳癌になる人の割合(罹患率)よりも低いことから、乳癌は「治りやすい」病気であると言えます。
(早期発見の重要性)
早期の乳癌(しこりが2cm以下でリンパ節転移の無い時期)の5年生存率は90%以上で、他の癌と同様、乳癌も早期発見が重要です。
(発見しやすい乳癌)
乳癌の患者様のうち、8割以上が自分で「しこり」を自覚して受診し、発見されています。胃や大腸のカメラや肺のレントゲン・CTなどの様な精密検査を用いなくても、触れるだけで発見し得るのが乳癌の特長です。(注:必ずしも「しこり」=乳癌とは限りません)
(より早期に発見するための乳癌検診)
乳癌検診では視診・触診及び超音波(エコー)検査あるいは乳房撮影(マンモグラフィー)を行います。自分では気付かない小さな「しこり」を発見することも可能です。「しこり」が発見された場合には、良性・悪性の判定をするための細胞診を行います。
(乳癌の治療について)
乳癌の手術治療は最近約20年間で著しく縮小されました。乳房と筋肉をすべて切除する手術は、現在皆無と言って良いでしょう。ホルモン療法・化学療法・放射線療法とあわせて、乳癌の治療は日々進歩しており、不幸にして乳癌になってしまった患者様達にも、昔とは違った希望の持てる時代だと思います。
(高松平和病院)
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